集住計画の現代的課題-都市と住まい のメモ

2010-08-20 15:15:57 | 福岡&中野&メルボルン時代
今日も暑いですね~。

今日はあれ!という面白い放送大学の一授業がありました、例外的!

放送大学っていつも授業名で面白そうだと思って実際見ると、ほんと面白くない!(笑) 
講義してくれているエライ先生たちご本人もほんと面白くなさそう!
これはもうどうにかならないのでしょうかっ?! 情熱が無いのは
この職業に置いてはもう罪ですね。
学生が勉強に面白みを見出せないのも仕方ないなーという感じです。

しかし、今日は「住まい論 第12回 集住計画の現代的課題-都市と住まい」を見ました。面白かったんです!これが・・・
これは今私が人口論に興味があるからでしょうか…役立つ情報満載でした。

メルボルンの不動産は今高値どまりなのです・・・日本の不動産価格は今だ底値圏にいるので対照的ですよね。どういう流れなのか、日本の住まいのコンテキストが概略的に分かって助かりました。第12回に続き、第13回も見たけど・・・面白くなかったです・・・(汗)本で読んだほうが早いな、とか考えてしまいました。

面白かったので備忘録としてまとめておきたいのですが、途中から見たので、大事な”日本の住まいの変遷”の図をメモし損ねました・・・ なので、分かる範囲で。まぁ仕方ないですね。

■ 概要

<日本の住まいの変遷>

「住宅不足」 高度経済成長期 

「量より質の時代」 

「ストックの時代」 

現代のライフスタイルで、日本は今第三ステージに入っている頃ですね。

この分野の海外文献(バイブル):
 まもりやすい住宅空間 Oscar Newman 
 The Death and Life of Great American Cities by Jane Jacobs

■ 住宅不足 団地

戦後復興の「住宅不足」時代には”団地”が時代をリードしていたんですよね。
日本では”公”が住みやすい集合住宅の形成をリードしてきた歴史がありますね。

海外では団地、つまり”HousingProject”は極貧層(例えば難民とかの)、社会の最底辺であり、ドラッグや犯罪との関連が深いのです・・・大きな違いですよね。

■ 量より質 分譲マンション

「量より質」の時代で、団地から分譲マンションへ主役は移ります。
だから分譲マンションの基本形も、団地とソックリなんですよね。
途中のエポックメイキングな出来事といえば「オイルショック」です。
成長拡大一辺倒から、安定した成長への転換点。年200万戸を越える開発から
年100~150万戸へ転じます。

そして、「ストックの時代」へ。現代では既にある建築物をいかに有効に活用するか?が問われる時代です。そう・・・居住空間は余っているんですよね・・・。問題視されているようですけど、いいことですよね。
家広くなるんだし。 このサイトでは面白い指摘がありました。

役立つサイト
http://www.37sumai.com/housing/history/2007/02/post_28.html

キーワード:コープオリンピア、信濃町マンション

■ ベッドタウン

日本では賃貸生活、あるいは長屋に見られるような集住生活が過半数の
人の住まいの在り方だったのですが、一方で戸建という選択肢もありますよね。

戸建といえば「ベッドタウン」。電車通勤と家を計りにかけてバランスで決定
するのですから、ベッドタウンの発展には「効率的な公共輸送システム」と
セットで語らなくていけませんよね・・・メルボルンで痛感しました。
ちゃんと電車がないとツライの一言です。

戸建と言えば、「宅地開発」 都市部郊外へ宅地が拡大し、「乱開発」「環境破壊」
が問題に。 これらはS40年代に法整備され、1968年に制定された新都市計画法
により規制されていることがポイントだそうです。開発の結果は、「画一的住まい」。

たしかに郊外の住宅地ってどこも似たり寄ったりの家が並んでいますよね。
私が大学を卒業したころ、富裕層の住む住宅で有名な間谷住宅でも
さらにその後ろに山を切り開いて新たな宅地を開発していましたが(モノレールが
来るから・・・という理由で)当時も不動産市場は不況でしたから、地元住民からは
反対の声がありました。確かに時代を見据えた選択というよりは、”時代遅れ”の
開発ですよね。実際、付近は高齢化もあり、閑散としています。

キーワード: ボンエルフ(例:コモンシティ星田)、SI住宅

■ リノベーション

「ストックの時代」と言われる間でもなく、今現在日本でもっとも先進的な取り組みは
やっぱり「リノベーション」でしょう! 

リノベは「大量生産」「量より質」の時代を経た結果、問題となってしまった「画一的住まい」
への回答、「個性・多様性」を提供するものでもあるのです。

実はメルボルンでも住宅はどれも似たり拠ったりでした。それにサンフランシスコも
正直大して個性という面ではどうかしら?という感じですが、「画一的住まい」だから
反省しようという方向性はないですね(笑) 

海外では画一性は「都市景観の一部」として容認されています。
日本では「画一的住まい」なのに「都市景観的にはバラバラ」なのは何ででしょう(笑)?
非常に興味深いと思いませんか?

それに日本の都市の住まいを「うさぎ小屋」と断罪するのもどうかと・・・。だってパリを見てくださいよ?パリでは建物の階立てが
平均5階建てなのに、東京は2階建てを少し越える程度。つまり
東京は集積が足りていないから延々2時間の通勤になったわけです。
そして土地が高いから家が小さくなってしまった。ちゃんと縦方向に
伸びていれば(笑)多くの人に適度な広さで近距離の住まいが提供
できたはずなのです。

そういう意味では東京や大阪は都市近接住まいの失敗例?
でも今後はその失敗を取り戻せるのではないでしょうか?
充実した公共輸送は既にあるし、都心の地価は減少中だし。
私たちの大阪の家は都心で通勤30分でしたし。

ところで、海外では、リノベと言えば「古い家を快適にするため」ではなく「自宅の資産価値を高めるため」
日曜にお父さんがDIYショップへ通ってやるものです。日本もそうなっていくといいですよね。

■ コーポラティブと超高層タワーマンション

また、「画一的住まい」へのもうひとつの解答として、コーポラティブもありますよね。

これは何家族かが集まって集合住宅を一緒に建てる、というもの。濃い近所づきあいが魅力です。

大体、生活の質を高めているつもりだったのに、結果プライバシーはあまり無い癖に隣は何をする人かも分からなくなってしまったのが日本・・・(笑)

どうしてこうなっちゃったのか? 日本の集合住宅の歴史が教えてくれるところによると
結局、経済効率優先で、人を置いてきぼりにしたわけなのですよね。
目的は”住居”の供給ではなくて、”幸せに住める住居”の供給だったわけですが、ついウッカリ、モノ志向に走ったということなのでしょう。 

これは日本人だけではなくて、現代人すべてに共通するメンタリティのようでメルボルンでもかなり感じました。

モノ志向。Materialismが現地では横行中でした。
カネで頬の撫でるまでは行きませんが、中国マネーの流入もあって、住宅市場はバブリーな様相です。

この不幸の源、『経済効率最優先』という価値観はどうも突っ走る癖があるらしく、結果、それはバブル景気時代の超高層タワーマンションに端的に現れている、と講座では位置づけていました。郊外の無価値な土地でさえも投機買いを引き起こした不動産バブルの時期に生まれたからなのですが、出生のいかがわしさ(笑)はともかく、タワーも都市型の住まいとしては大変正しいのではないかと思います。

大体、通勤2時間もかけて郊外に住むと”住んでいる”んではなくて”寝に帰っている”だけになってしまうし。
郊外生活もタワー生活もどちらも、「超忙しい生活」を表現しているのは確かでしょう? 

キーワード: リビングアクセス、コーポラティブハウス千駄ヶ谷、HOPE計画、中曽根民活

■ 今後の課題

今後の課題として挙げられていたのは以下です。

<今後の課題>
1)ストック型社会 
2)高齢化社会への対応:バリアフリー、MIX住宅、賑わい、コミュニティ
3)エコ :断熱、環境共生、低エネルギー住宅

キーワード:求道学舎プロムナード多摩

結論: 私的には、今後の日本は「効率」ではなく、「人間性」じゃないのかしら?と思えます。
今東京で激戦中のシェアハウスでも、勝ち組は「交流重視」組でしたし。

日本人にとって回復すべき課題は「人間関係の希薄さ」ではないですかね?



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