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UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第四十四話part1

2025-04-30 00:00:15 | 日記
 雨の中、彼は走ってる。土砂降りの雨の中、彼は一瞬にして全身びしょびしょになってしまった。けど彼はそんなことは気にしてない。パンツの中までもそしてランドセル…… その中身さえ心配な程だ。それでもこうなったらどこまで濡れようが彼にはかんけいなかった。
 
 なにせここまで濡れたら一緒だからだ。ならば一刻も早く家にたどり着くのがいいだろうということだ。彼の足音もうもらせる程の雨。そんな中いつもの登下校の道を走り続ける。前の方から明かりがみえる。どうやら車のようだ。なんと羨ましいのだろうか? 
 びしょ濡れになってる彼とはちがって、車の中ならこんな雨でも関係ない。快適に家まで帰れるだろう。とりあえず彼はスピードを落とした。やっぱり向かってくる車に突っ込むような走りはできない。
 ここはそこまで道路も広いわけじゃない。軽トラックみたいなよく見る車ではない。もっと乗用車的な車だ。こんな田舎だから、大体見た事ある車がこの道路を通るのなんてほとんどだ。
 でもそれは見たことなかった。そうなると、もっと奥の……山の奥の所の人の車という事になる。もしかしたら彼女を……育代を迎えにでもきた例の村の車なのかも……と彼は思った。けどそれだけ、通り過ぎたら、さっさと家に帰ろうと再び彼は走り出す。その時だった。
 
「ぬわ!?」
 
 道路の端っこから何かが出て来た。それと思わずぶつかってしまった彼。
 
「す、すまん!」
 
 そんな風に思わずいった。すると目の前で水が溢れてる道路に倒れ伏す少女の姿が目に入る。
 
「おまえ……なんで?」
 
 それは育代だった。昼休みが終わって五時間目から既に彼女は授業にはいなかったと彼は記憶してる。そうなると……だ。そうなると彼女はずっとびしょ濡れだっだ……という事にならないだろうか? だって少なくとも数時間は経ってる事になる。雨脚は昼休みごろから強くなってた。
 そうなると……
 
「お、おい! 大丈夫か!?」
 
 彼女はぶつかったまま動かない。近寄るなとか言われてたけど、そんなのは無視して彼は倒れたままの育代に近づいた。膝を地面について、とりあえず揺さぶる。けど……反応はない。顔に髪の毛がかかってたから、それをはらって、育代の顔を確認した。すると……
 
「はっはっ……」
 
 呼吸があらい。それに顔も赤い……よりも白く見える。容体は悪そうだった。
 
「おい! くそ! あとで怒るなよ!」
 
 そういって彼は自分のランドセルを胸の前に移動して背中に育代を抱えた。背中にずっしりとくる重み。けど彼は頑張って前に進んだ。


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