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UENOUTAのお絵描きとかブログ

 お絵描きや小説、YouTubeとかの報告とかしていきます。

ある日、超能力に目覚めた件 ???話PartD18

2025-07-20 19:28:55 | 日記
「負ける気がしないな」
 
 大量の岩の蛇。その姿は凶悪で強大。きっとこいつなら、いくつもの世界を滅ぼせる。そんな事を野々野足軽は思う。そしてそんな野々野足軽の考えは間違ってない。こいつは世界を壊す病原菌みたいなものだった。そして世界が滅ぶと、界門を使ってまた別の世界へと向かう。そんな事を繰り返してきた罪深き存在だ。
 きっとこの岩の蛇は今回もなんの問題もなく、世界を滅ぼせると思ってただろう。野々野足軽というイレギュラーもさっきまでなら、問題なんてなかった。けど……戦ってる内に岩の蛇は気づいてきたかもしれない、今の野々野足軽は危険だと。
 その底しれない力に……岩の蛇はこの界域という場所をきっともっとずっと前から利用してたと思われる。なにせ一つの世界では留まれない……そんな強大な存在だ。でも、岩の蛇は気づいてなかった。知ることができなかった。この界域にあった、大きな大きな力の貯蔵を。
 
 そして野々野足軽はそれを見つけた。さらにいうとその力を野々野足軽は使ってる。使えてしまってる。それこそが圧倒的なアドバンテージ。確かにこの岩の蛇は数多の、数多くの世界を見てきたのだろう。
 見てきただけじゃなく、沢山の世界を壊してきた。そんな存在だからこそ、きっと岩の蛇は思ってた。
 
『我に並び立つ存在などなし』
 
 ――とね。沢山の世界を蹂躙してきた存在なら、そんな風に思ってもおかしくないだろう。だが……今、岩の蛇の目に映る存在。そのちっぽけな体しかないような存在が今もなお、そして何度でも自身の前にいるのが信じられない。それに岩の蛇は本気を出してる。別に岩の蛇は一つの世界だけを壊してたわけじゃない。
 岩の蛇には沢山の首がある。だからこそ同時に様々な世界へとちょっかいをかける事ができる。そうやって同時進行で世界を襲ってたわけだが、今やその首はたった一人に集中してた。
 
 それがこの眼の前のちっぽけな存在――
 
『野々野々野々』
 
――ただ一人に。そしてそれを認める事もこれが本当のことだということだって岩の蛇には信じられない。それに全ての首をこの界域に集めて戦ってるというのに……眼の前のちっぽけな存在はまだ生きてる。生きて岩の蛇の首を一つ一つ落としていってた。
 
 それ自体は問題ない。いくら首を落とそうと、すぐに再生できる。まとまった本体である体を見せてないから、きっとこの存在は自分の事を勘違いしてるのだろう……とか岩の蛇は思ってた。
 沢山の個……一つの固有種ではなく、集団だと……「馬鹿め!!」――とか思ってる。けど実際いくら再生できるといっても頭が落とされてるのは事実な訳で、そして眼の前のちっぽけな存在はそれを余裕を持ってやってるようにみえる。
 
 見えない不可視の力が一斉に数千にも登ってた岩の蛇の動きを縛る。
 
『馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な!!』
 
 そんな怒りによって、第一の首。野々野足軽がほかとは違う……と評した首はその拘束を解いた。でも動けたのはその首だけ。そしてそこに、野々野足軽が手をかざして現れる。
 
「やっぱりお前だったか」
 
 その平坦で、むしろ安心した……ような感情のこもった声。それを聞いて始めて、岩の蛇の別の感情が芽生えた。岩の蛇はこう思った。
 
『怖い』
 
 ――と。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)祖にありける新の形 27

2025-07-20 19:23:37 | 日記
 いくらでも、何度でもまん丸モフモフの本体はG-01をその黒い体で嘗め回す。きっと「今度こそ」――と思ってるんだろう。早く倒れろ……とか、消えてくれ……とか願ってる。それがわかる。だってその黒い部分で一撫でして消えなかった存在も物もなかったんだろう。
 でも今、G-01とまん丸モフモフの本体の間にある隔たり……それは物体ではない。二人の間にあるのはG-01が展開してる空気の膜のようなものだ。普段はそんなのは使わないんだけどね。だって別にG-01の装甲は頑丈だし、その気になればもっと頑丈なシールドを展開できる。でもそういうのじゃなく、空気というか大気というか……それを使った方がこのまん丸モフモフの本体の力にはこっちの方が効果的だろう……と思ったからだ。
 G-01を覆うシールドは確かに頑丈だ。間違いない。けど、それはもしかしたら物体と認識出来てしまうかもしれない。そうなると、あのまん丸モフモフの本体の黒い部分には無意味になる。シールドはエネルギーを独特な編み方をして、システムの元に組み上げてるわけで、エネルギーの状態では物体とはいえないかもしれないが、シールドのようになってしまったら、きっとこいつもそれを認識できる思う。
 それに編み込んでるんだし、分解の対象になりえる。そんなシールドに対して今私がG-01の周囲に展開してるのは空気とエネルギーを混ぜて指向性を持たせたものだ。それをG-01の周囲に展開してる。そんなに強度はない。なにせただとどまらせてるからだ。
 けど、これでもある程度の射出物とかだと軌道をそらすとかできるし、勢いを殺すくらいは行ける。それに外からの衝撃で一時的にでも集まってきて強度を上げれる。その特性があるおかげで、まん丸モフモフの本体の攻撃はG-01に届いてない。このそれこそ膜のようなものに阻まれてる。もっと勢いよくぶつけてくればわかんなかったけど、こいつはそれよりも確実に大きな面積をG-01に触れさせようとしてきた。
 だからこそ自らその勢いを直前でころしてる。それでいい……と思ったんだろう。実際この膜は見えないしね。でも確実にG-01とあんたの間にそれはある。そしてそれを察せれなかった時点であなたの負けだよ。
 
「いくよ!」
 
 私は反転、攻勢にでる。でもそれは暴力的な事をしだす……とかじゃない。もっと平和的だ。なにせもう十分なデータは取った。奴が執拗にベロンベロンとしてくれたからね。たくさんのデータがとれたのだ。そしてその内側のサンクチュアリ、それを既に私は見つけてる。
 だからもう終わりだよ。大丈夫。きっと痛くない。