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UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第四十二話Part5

2025-04-19 19:38:38 | 日記
「なんなのこいつ?」
「みるな」
 
 そう言って鬼男は優しく小頭の顔をその妖怪からそらして胸にくっつけた。小頭の顔にくっつく黒く厚い肌。いや筋肉。まるで壁のようだけど、熱くて……けどその奥には確かな鼓動がある。
 
 その確かな鼓動は一定のリズムを刻んでて、小頭に安心を感じさせてくれる。今もなお、妖怪は笑ってる。けど……それよりも今は鬼男の鼓動のほうが大きく聞こえてる。だから……その笑いは遠い。邪悪は遠くに行ってるように感じれた。
 
「あははははははは、そんな足手まといをかばってて大丈夫なのか!」
 
 そんな言葉とともに、腕がずにゅっと伸びた。いや腕というか袖? それは伸びると同時に大きくなって向かってくる。大きく振りかぶられたそれをかわして、拳を向ける鬼男。
 
「ここで永遠に彷徨うといいさ」
 
 どうやら今の攻撃は陽動だったらしい。攻撃に見せかけて実際、その狙いは二人の目から逃れる事……だったんだ。攻撃の後に残ってたのは、ヤツの袖だけだった。けどこのまま逃すわけはない。
 すぐに小頭は再びスマホを向けた。
 
「それか!」
 
 その瞬間、小頭の手からスマホが奪われる。まさか逆に近づいていたとは。なぜに自分の居場所がバレるのか、あの妖怪も気になってたんだろう。だからそれを排除することにしたようだ。
 確かにスマホがなかったら、捕まえられなくなる可能性は高い。鬼の角でもある程度の探索はできるようだけど、スマホのカメラほど正確じゃない。そもそもなんでスマホのカメラに妖怪が映るのか謎だが……
 ここでスマホも壊されて、そしてこの靄の中に再び入られたら、本当に彷徨うことになってしまうかもしれない。だから無茶でも、小頭は浮いてるスマホに向かって手を伸ばす。何かに触れたような感覚。それを離すまいとぎゅっと抱きかかえる。
 
「今のうちに!」
 
 ここに確実にこの妖怪はいる。もうつべこべ言ってる場合じゃない。この妖怪は今ここで滅しないと厄介すぎる。なんでこいつが他の妖怪たちと違って門に向かってないのかとか、色々と気になることはある。
 でも……そんなのは今の状況を打開するほうが先決だった。
 
「やめ! やめろおおおおお!?」
 
 怯えた。叫び。けど、鬼男はそんな叫びでためらうようなやつじゃない。振り抜かれた拳……現れたその妖怪の姿は、鬼男の腕に刺さってた。
 

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 224

2025-04-19 19:32:29 | 日記
「使命……ですか?」
「うん……」
「それがなにかきいても?」
「ううーん」
 
 もみもみ……と彼女は気持ちよさそうにしてる。下からミレナパウスさんのおっぱいを揉みしだいてる彼女は正直うらやましい。
 
「わかんない!」
「え?」
「わかんない!」
 
 彼女は元気にそういった。何がわかんないだ。ちょっとは申し訳ない態度をとれ! と思った。なんでおっぱいを堪能してるんだよ。流石に困ったように、ミレナパウスさんがこっちを……というか勇者とかアイをみてる。助けを求めてるんだろう。流石にその体も差し出させて、更に質問も……なんてとアイも思ったのかもしれない。
 ちょっときつめに、その言葉を引き継いだ。
 
「ちょっと、わからないってどういう事? 使命なんでしょ? その言葉はそんなに軽いものじゃないわよ」
「ひっ……お姉ちゃん怖い……」
 
 ビクッと怯えたメタリファーだった彼女はミレナパウスさんの背後に回った。けどおっぱいを揉むのを辞めるわけじゃなかった。どこまでミレナパウスさんのおっぱいを気に入ったんだ? 
 
「怖くてもいいわ。真剣に答えて。あなただって使命というのなら、それを達成したいんでしょ? 今のままでそれができると?」
「それは……けど、本当にわかんないの。でもわかる。私には使命があるって!」
 
 つまりは具体的にはわからないが、なんとなくやらないと行けない事がある……ということを彼女は自覚してるってことか。その使命とやら、私はなんとなくわかってる。てかこれしかないでしょう。
 
 彼女は……メタリファーは空獣をどうにかしたいと思ってたはずだ。だからその使命はきっと空獣に対しての事。あわよくば、空獣を討伐……それこそが彼女が感じてる「使命」だと思う。
 確かめてみるか。私は指を前に進めた。そしてポトっとアイの頭におちた。鬱陶しそうにしたアイ。放り投げられる前に私はメタリファーだった彼女の前にある立体映像を表した。
 それは勿論……空獣の姿だ。全てを食い尽くすための大きな口を持つクジラのようなフォルムの化け物。目とかはなく、体の至る所に口がある。それが空獣だ。尾ひれは長く、その部分は幻想的な流星の集まりみたいになってる。
 そしてそれを観て、彼女はピタッとその動きを止めた。