UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 282P

2023-09-25 20:57:46 | 日記

「あれって……」

 ゴクリ……と野々野小頭は唾を飲み込んだ。いや、野々野小頭だけじゃない。他の皆、それこそ草陰草案・猩々坊主・アンゴラ氏・チャブ氏・ミカン氏……それぞれ皆、緊張が走ってる。でも野々野足軽は違った。

「猫じゃん、迷い込んだのかな?」

「ダメ!」

 野々野足軽がかわいらしい猫に近づこうとしたら、野々野小頭が声を荒げた。きっとこの廃ビルでみた、怖い猫を思い出したんだろう。

「なんだよ? ただの猫だぞ?」

「えっと……その……」

 野々野小頭は歯切れが悪い。どう説明したらいいのか……と思ってるんだろう。なにせ……だ。なにせここで見たことを素直に話したとして、兄である野々野足軽が信じてくれるだろうか? って不安がある。というか普通は信じない。実際、今見えてる猫は普通の猫みたいだ。顔が二つある……なんてことはなかった。

 けど、この場所で見る猫を警戒してしまうのはどうしても避けられない野々野小頭だ。それだけあれの衝撃は強かった。そしてそれは野々野小頭だけじゃない。草陰草案もそうだし、大人たちもそうだ。アンゴラ氏なんて、懐に手を入れてる。きっと何か武器……というか武器のようにできる石とか札とかを忍ばせてるんだろう。

「みゃー」

 再びそんな風に声をだしてなく猫。三毛猫みたいに見えるその猫はなかなかに丸い。野良猫にしては太すぎではないだろうか? と思うほどには太かった。

 すると……

「あれ? 君……もしかして……」

 ――と何やら草陰草案が思い出したように言った。そしてその声にこたえるように「にゃーお」と鳴いた三毛猫。たとたとと野々野足軽なんて眼中になく歩いて、ただひたすらに草陰草案を目指す。その前はもちろんだけど大人たちもいた。けどなぜだろうか? その三毛猫の堂々としたその歩き姿に、自然と誰もが道を開けた。

 そして三毛猫は草陰草案の前へといった。

「君の声……聞いたことある気がする」

「みゃー」

 そういって体を草陰草案へとこすりつける三毛猫。そしてそれをなでる草陰草案。すると……だ。すると三毛猫の体か淡く光りだした。そして透明になっていって、その内見えなくなった。消えるその瞬間「みゃみゃ」と鳴いて、その三毛猫は消えていく。

 そんな三毛猫を撫でたままの態勢で……草陰草案の頬に一筋の涙が流れる。そして体を丸めて「ありがとう」と泣き出した。皆何が何だかって感じだけど、空気を読んで草陰草案が落ち着くのを待ってた。


転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)運命という世界線を壊せ 919

2023-09-25 20:51:28 | 日記

はてさて、どうにかザンサンシャカレの都市核は確保した。ここはどうにかなったわけだけど……他の場所はどうだろうか? 他の街の都市核も確保して、一か所に集める予定だ。そしてもちろん、都市核が無くなった街には住めなくなるから、一斉にアズバインバカラへといくことになる。

 そのためにもアズバインバカラは今、絶賛拡大工事中である。まあけど、実際、街にできる……というか街に成れる範囲というのは決まってる。だから下手に拡張なんてのは出来ないって感じではある。

 でもそれも一つの都市核では……ということだ。今アズバインバカラには複数の都市核がある。まあ今までは、それを使おうとはしてなかった。なにせ都市核というのは神聖で、さらに言うと謎の物体だったからだ。まあ謎の物体というのは今でも変わってない。今でも謎ではある。けど都市核には膨大で莫大なエネルギーが内包されてるのは確実なのだ。

 そしてこれから起こるのはこの世界を二分する戦いである。神聖だし、よくわかんないから使えないんなんて言えないだろう。言ってらんない。

 それにこの計画が出たとき、都市核が保護する領域を拡大させることは絶対的に必要だった。だってそうしないと、いくら建物をたくさん建てたとしても、宵にはまっさらになっちゃうからね。なにせ宵には都市核が守ってる範囲外は分解してるんだからね。もちろん明には再構成されるが、都市核が守ってる範囲外はただ自然の状態に戻るだけである。建物まで再構成はされない。

 でもそこで他の都市核である。都市核を起動、鎮座させれば、都市核を中心とした数十キロ四方は宵でも守られる。でも……だ。でも問題があった。それは都市核を起動できないってことだ。

 どうやら都市核を起動できるのはその街の領主とか限られた人たちだけで……その都市核の起動権を守るために、領主一族はいるようなものなのだ。

 では、今アズバインバカラにある他の都市核とか、どうなるかというとまあ勿論だけど、生き残りの領主一族やらその末裔でもいれば簡単だが、そんなのは都合よく表れないわけで……どうしようもないってことになる。

 けどだからって遊ばせるなんてできない。なにせ死活問題だからだ。これからアズバインバカラへは今残ってる街の領民たちが押し寄せてくるのだ。今までの範囲では当然、受け入れるなんて不可能だ。なので都市核の保護できる範囲の拡張は必須。

 けど複数ある都市核はあった所で宝の持ち腐れ。まあ今も残ってる街にはちゃんと領主がいるから、回収してから拡張するって感じにすればどうにかなるにはなる。

 まあそれも大変だが。でもそれでもG-01が回収した都市核は無駄だからね。それはもったいない。なので私も知恵を出した。起動は出来ない。ネナンちゃんとかの特別な子でもむりだった。でも解析することで見えてきたこと……そう都市核は微妙に違うが、共通する部分はもちろんある。だから、ただ単純に今起動してる都市核に接続することは出来ないのだろうか? てね。それをやってみたのだ。

 それは案外今、上手く行ってる。そこにさらに領主たちが都市核を回収して、万全の都市核が複数加わるのなら、もしかしたらアズバインバカラの土地事態に変化が起こるかもしれない。