オレンジな生活のろくでもない生活

サッカーとかその他諸々に関する日々徒然の感想をダラダラと綴った日記、のはず。

バレンシア2-1レバンテ

2005-01-09 15:58:33 | スポーツとか
 年末から新年にかけての短いブレイク。結果の出ない、あるいは内容が良くないクラブにとっては格好の調整時期となる。ここから一月末の冬の移籍マーケットのクローズまで順調とは言えないほとんどのクラブにとって実戦を交えての修正時期になり、二月に出来るチームが、今期のそのクラブの完成型ということになる。
 
 結果はともかく内容のついてこないバレンシアのラニエリがこの短いブレイクでどんな手を打ってきたのか?この一戦で注目されたのはそこではなかったのであろうか?そしてその答えは、「バルセロナのシステムの模倣」ということになる。

 ワントップにミスタ、左右の両翼にアイマールとルフェテ。中盤を逆トライアングルで構成し、マルチェナをワンボランチ、上がり目にバラッハとフィオーレ。キックオフ直後、この新システムは上手く機能しないように見えた。理由としてはバルサの3トップの両翼(ロナウヂーニョ、ジュリまたはラーション)と比べてアイマールとルフェテがボールを受け取る位置が低いこと。アイマールは機能せず、右に位置取るルフェテが頻繁に突破を仕掛けてクロスを送るものの、レバンテの造る堅陣にはじき返される。

 機能しなかったもう一つの理由として、「ミスタとエトーは違う」というところだろう。エトーはボールをもらっても仕事が出来るし、独力でも局面の打開が可能である。一方でミスタは「流れの中でボールをもらう」ことではじめて得点が見込めるFW。ルフェテからのクロスボールはミスタに届くが、「スペースがある中での流れからのボール」が欲しいミスタにとっては、仕事をするには窮屈すぎる。

 レバンテはゴール前にディフェンスラインを築き、前線にマンチェフ、セルヒオ・ガルシア、エティヤン、ジョフレといった選手を並べてロングボールを渡し、カウンター。非常にシンプル。

 前半を硬直状態に落ち着かせたまま0-0で折り返した展開はレバンテにとってはゲームプラン通りではないだろうか?ところが後半十分、ここまで堅く守ったレバンテの堅陣にほころびが出来るのをバレンシアは逃さなかった。ピボーテのリベラがボールを出そうとするところをバレンシアの網に引っかかり、ゴールに近い位置からバレンシアのカウンターが始まる。ミスタを経由してゴール前まで持ち込まれたボールを押し込んだのは、バラッハだった。

後半十四分、ボックスの右側からフリーキックを得たバレンシア、フィオーレが上げたボールをミスタが押し込む。ボールがラインを割ったかどうかでレバンテの選手達が食い下がるが判定はゴール。後で物議を醸すだろうが、結果としてバレンシアは2点差をつける。ここで試合は一気に攻撃的になる。

 立て続けに2失点を食らったレバンテがリスクを覚悟でDFラインを押し上げる。そしてこの展開がアイマールにスペースを与えることになる。左サイドから中央にかけてを動き回り、短いドリブルからショートからミドルレンジのパスが繰り出される。故障がちで不遇を囲っていたアイマールだが、本来ならその才能はロナウヂーニョにだって匹敵する。

 2点差を挽回するためレバンテはジョフレとセルヒオ・ガルシアに代えてナチョとコンゴを投入。28分に右のスペースに走り込んだエティヤンがゴール前に折り返す。モレッティとカニサレスをすり抜けてゴール前に渡ったボールは交代出場のコンゴによって押し込まれる。レバンテ1点差。しかしバレンシアはそれからのレバンテの猛攻を凌いで勝ち点3。

 完全に機能したとは言い難いし、何よりバルサと比較すると両サイドバックの攻撃参加に欠けるバレンシア。それでも新シフトは一応の機能をして見せた。昨シーズンのシステムとバルサの模倣システムを成熟させるのを平行させながら、残りのシーズンを戦うことになるのだろうか?

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