なぜ自治基本条例をつくるのか。
いくつかあるが、次のような点が、特に重要だと思う。
①地方自治法等で空白になっている地域のコミュニティをきちんと位置付けること。そのうえで、その活動をさらに発展させていくことである。
少子高齢化や大震災等で、行政だけでは自治を担っていけないことは明白になった。地域コミュニティの重要性があらためて明らかになったのである。そこで、地域コミュニティをきちんと位置付けて、さらに発展させていくべきであるが、これまでの発想の延長線では、なかなか踏み出せない。しかし、今にとどまっていても、じり貧になるだけである。勇気をもって前に踏み出すしかないであろう。そのことをきちんと議論し、条例で位置付けて、前に進む拠り所としよう。
同時に、地域コミュニティは、自治の時代にふさわしいように改革していかなければならない。地方分権改革の地域版である。大変であるが、前に進むしかないであろう。
②これまでまちづくりに参加してこなかった多様な市民の参加である。
一部の有力者、声の大きな人が参加するだけでは、これからの難局は乗り切れない。みんなが、その持っている力を存分に出していこう。特に若者である。若者にとっては、ますます厳しい時代になってくる。その若者が自信を失うことなく、持てる力を引き出せるようにしていこうではないか。条例では、多くの市民の参加を後押しする制度や仕組みを重層的に用意していこう。
では、なぜ、条例なのか。規則や要綱ではないのか。
自治基本条例では、多くに市民が集まって、議論し、知恵を出し合う。それを踏まえて、今度は、市民によって選ばれた市長が条例案にまとめる。さらに市民によって選ばれた議員が、さまざまな観点から議論する。この何重もの民主性が、条例の強みである。規則や要綱ではこれができない。それゆえ、自治基本条例をつくるときは、この条例を強みを十分に発揮できるようにつくっていこう。
昨年12月に自治基本条例をつくった新城市で、25年度予算の発表があった。その前文を穂積市長さんが書いている。普通、こういう文章は財政当局が書いて、市長が決裁するするだけであるが、これは穂積市長さんが自ら書いたものだろう。文章の向こうに、自治(市民の暮らしを豊かにすること)への思いが溢れている。とても、いいものなので、ここに転載しよう。
『市民自治社会創造―まちづくりのステージアップをはかる25年度予算案』
・・・大震災は日ごろからの各種防災・減災事業の積み重ねの大切さを教えたが、それを真に生かすものは地域社会に根づく住民自治の力以外にはないことも教えた。
地域共同生活を営むための相互扶助を原点とする住民自治は、長い歴史のなかでその地域社会の個性をつくり、文化・伝統・教育・福祉にかかわる規範を育み、世代をつなぐ母胎をなしてきた。
高度に分業化された産業社会と都市化の荒波が国じゅうを覆いつくすなかでは、堅固な社会インフラと行政府の福祉サービスが安全安心を保障する砦とみなされてきたが、近年の大災害はそうした従来の防災や安全保障の考え方に大きな変更を迫っている。
コミュニティ単位での人と人との絆、それを基礎にした自治的な地域経営が息づいていない社会は、自然災害や予想外の社会変動に対してぜい弱であることが示されたからである。
こうして日本各地で、自らの足元を見つめ直し、あらためて強靭な地域社会を築き直すためのさまざまな取り組みが重ねられている。
本市が新年度から施行する自治基本条例と地域自治区制度は、新城市第1次総合計画がかかげる「市民自治社会創造」の戦略にもとづいて、平成22年度から具体的な検討を開始し、たび重なる市民委員会での議論や行政区単位での検討を経て、住民、議会、行政の真の協働と地域自治の制度的保障をはかり、まさに強靭な地域社会の再構築を図るものである。
それはまた「住民自治の拡充」を市職員の重要な職務の一つに押し上げ、行政職員の「働き方」を変え、行政改革=市役所改革をより本質的に推進する手だてともなっていくであろう。・・・
http://tomako.dosugoi.net/e478945.htmlが本文です。
まさに市民が幸せに暮らすための制度的保障のひとつが自治基本条例である。
いくつかあるが、次のような点が、特に重要だと思う。
①地方自治法等で空白になっている地域のコミュニティをきちんと位置付けること。そのうえで、その活動をさらに発展させていくことである。
少子高齢化や大震災等で、行政だけでは自治を担っていけないことは明白になった。地域コミュニティの重要性があらためて明らかになったのである。そこで、地域コミュニティをきちんと位置付けて、さらに発展させていくべきであるが、これまでの発想の延長線では、なかなか踏み出せない。しかし、今にとどまっていても、じり貧になるだけである。勇気をもって前に踏み出すしかないであろう。そのことをきちんと議論し、条例で位置付けて、前に進む拠り所としよう。
同時に、地域コミュニティは、自治の時代にふさわしいように改革していかなければならない。地方分権改革の地域版である。大変であるが、前に進むしかないであろう。
②これまでまちづくりに参加してこなかった多様な市民の参加である。
一部の有力者、声の大きな人が参加するだけでは、これからの難局は乗り切れない。みんなが、その持っている力を存分に出していこう。特に若者である。若者にとっては、ますます厳しい時代になってくる。その若者が自信を失うことなく、持てる力を引き出せるようにしていこうではないか。条例では、多くの市民の参加を後押しする制度や仕組みを重層的に用意していこう。
では、なぜ、条例なのか。規則や要綱ではないのか。
自治基本条例では、多くに市民が集まって、議論し、知恵を出し合う。それを踏まえて、今度は、市民によって選ばれた市長が条例案にまとめる。さらに市民によって選ばれた議員が、さまざまな観点から議論する。この何重もの民主性が、条例の強みである。規則や要綱ではこれができない。それゆえ、自治基本条例をつくるときは、この条例を強みを十分に発揮できるようにつくっていこう。
昨年12月に自治基本条例をつくった新城市で、25年度予算の発表があった。その前文を穂積市長さんが書いている。普通、こういう文章は財政当局が書いて、市長が決裁するするだけであるが、これは穂積市長さんが自ら書いたものだろう。文章の向こうに、自治(市民の暮らしを豊かにすること)への思いが溢れている。とても、いいものなので、ここに転載しよう。
『市民自治社会創造―まちづくりのステージアップをはかる25年度予算案』
・・・大震災は日ごろからの各種防災・減災事業の積み重ねの大切さを教えたが、それを真に生かすものは地域社会に根づく住民自治の力以外にはないことも教えた。
地域共同生活を営むための相互扶助を原点とする住民自治は、長い歴史のなかでその地域社会の個性をつくり、文化・伝統・教育・福祉にかかわる規範を育み、世代をつなぐ母胎をなしてきた。
高度に分業化された産業社会と都市化の荒波が国じゅうを覆いつくすなかでは、堅固な社会インフラと行政府の福祉サービスが安全安心を保障する砦とみなされてきたが、近年の大災害はそうした従来の防災や安全保障の考え方に大きな変更を迫っている。
コミュニティ単位での人と人との絆、それを基礎にした自治的な地域経営が息づいていない社会は、自然災害や予想外の社会変動に対してぜい弱であることが示されたからである。
こうして日本各地で、自らの足元を見つめ直し、あらためて強靭な地域社会を築き直すためのさまざまな取り組みが重ねられている。
本市が新年度から施行する自治基本条例と地域自治区制度は、新城市第1次総合計画がかかげる「市民自治社会創造」の戦略にもとづいて、平成22年度から具体的な検討を開始し、たび重なる市民委員会での議論や行政区単位での検討を経て、住民、議会、行政の真の協働と地域自治の制度的保障をはかり、まさに強靭な地域社会の再構築を図るものである。
それはまた「住民自治の拡充」を市職員の重要な職務の一つに押し上げ、行政職員の「働き方」を変え、行政改革=市役所改革をより本質的に推進する手だてともなっていくであろう。・・・
http://tomako.dosugoi.net/e478945.htmlが本文です。
まさに市民が幸せに暮らすための制度的保障のひとつが自治基本条例である。