川口市における政策法務研修である。
担当のFさんの弁である。「1年は早いものですね」。昨年の今頃も、川口に来て、政策法務研修を担当したからである。たしかに、ついこの前、来たという感じである。
川口市における受講者は、主任ということで30代の職員である。勤務年数を見ると、だいぶ幅があるが、これは中途採用をしているためである。最近は、こうした職員も多くなり、ある意味、研修担当も難しいのだろうと思う。
川口市の研修担当は、美人、美男で有名であるが、美人の係長のTさんが栄転し、今度は美男係長のTさんが担当になった。私ががっかりしていると思ったのか、Fさんからは、「まだSさんがいます」と、訳の分からない、ポイントを突いたメールが来た。私はあくまでも、政策法務を教えに、川口市へ行っている。
1週間おきの2日間の研修で、1日学んだあとに、宿題があり、それを2日目にやるという構成になっている。宿題は、1000円カット規制条例で、この条例の憲法上の問題点を調べてくる。常識的には、違憲論で書くことになるが、現に条例がたくさん制定されている現状を踏まえ、合憲論からも考えてきてもらう約束になっている。
研修生に中央図書館勤務の職員が2名いたので、さっそく、検索システムで私の本が所蔵されているか調べてみた。8冊ということで、約半分である。当然、戻ったら、次の本の選定委員会では、「松下先生の本はいいですよ」と宣伝しておくように、くぎを刺しておいた。「伝えます」と言っていたけれども、きっと忘れられてしまうのだろう。人生いろいろ、なるようになる。
Fさんたちが、気を使って、私の最高傑作である『自治体政策づくりの道具箱』を用意しておいてくれた。講義の中で、その一節を紹介したが、全く受けなかった。面白くなかったということはないはずで、真面目な講師がほとんどななかで、私がおかしな講師なので、どう反応してよいのは、戸惑ったのだろうか。