葉山町における協働の指針づくり。その2回目である。
自治体職員が、協働と何か、どのように協働を理解したらよいか、一生懸命、模索してる。その典型例が昨晩の協働指針検討会だった。
いつもなら、私の話があって、それに沿って、協働とは何かを考えることになる。そんなつもりで会場に行くと、まずグループワークをやって、最後に私の講義という進め方だという。「えっ」と思ったが、何か考えての上だろうと思って、言葉を飲み込んだ。
葉山町では、とてもユニークで、可能性を秘めた方法が行われた。協働の研修や話をたくさんやっているが、今回は初めての体験だった。
1.まず、参加メンバーたちが、自分たちの活動をポストイットに書き出す。
2.この活動を模造紙のうえに、行政との連携が濃いか薄いかを基準に、その場所に貼るのである。評価は、自分の感じでよく、ここだと思うところに張り付ける。
3.その結果、行政との直接的な「協働」関係がある活動から、ほとんど関係がない活動までが、模造紙上に示される。ただ、この日は、全体に、行政との関係が濃い活動が多かった(参加メンバーとの関係だろう)。
4.司会の進行のもと、それぞれの活動の報告が行われる。ここでは、説明の中心は、行政との密着性とこうした支援があったら、さらに活動は活発化するという内容である。
このやり方のねらいは、協働を行政とNPOが一緒に活動するという範囲にとどめず、民間同士の協働もあることを示すものである。また補助や委託だけでなく、励ましや暖かな目線も協働であることを理解しようとするものである。
5.このワーク体験をした後で、このワークを理論づける私の話となる。市民の公共活動は、委託や補助だけでなく、行政とは関係ないところでも行われるし、活動場所の整備や情報提供等も協働であることを身をもって理解できるようになるという狙いである。
まだまだ工夫はいるが、面白い、挑戦的な試みだと思う。何よりも、自分たちで、どうすれば協働を理解してもらえるのか知恵を絞り、トライしているところがよい。それに反応して、私の話も力が入る。
協働については、何冊か本を書き、もう付け加えることはあまりないかと思っていたが、まだまだ、道は続いているということである。今度、協働の学び方を体系たてた本を書くことにしよう。