松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆若者がつなぐ地域と若者5・いくつかの失敗例(相模女子大学)

2018-04-12 | 1.研究活動

 これまでいくつかの失敗例を見てきた。基本となるのは、若者が参加する動機の見誤りである。若者の主な参加動機は、自分が成長したい。自分を変えたいである。

 一番まずいのは、若者が、「自分たちはうまく利用されている」と感じることである。もともとはWIN・WINが基本であるが、そのバランスが崩れることがある。特に慣れてきた時が要注意である。

 「君たちに任せる」といって、実は、微に入り細に入り、指示して、不信を買うというケースもある。大人から見れば、若者がモタモタしていて、見ていられないということであるが、任せたと言ったのだったら、任せなければいけない。

 これらは成功を目指す大人と、成長が目的の若者とのミスマッチに由来する。

 私の立場は、簡単である。若者を巻き込むのは、若者の成長のためである。つまり自ら考え、時には失敗して、次の成長につなげる、つまり「若者を市民として育てる」のが目的なので、話は簡単である。事業の成否も重要であるが、成功と失敗の距離はあまり遠くない。これは「まちづくりには失敗はない」からである。どんな形でも、失敗はなく、それなりになると思うと、急に気が楽になる。

 準ゼミの学生たちが、白岡市の新採用職員の研修補助に出かけた。新採用研修の一環として、まちの新たな資源育成というテーマの政策形成研修があり、そのワークショップを手伝ったのである。正直、私は心配だったが、学生たちは憶する様子もなく出かけ、行った感想は、「楽しかった」。役所からも、「やってよかった」とのこと。学生たちもよくやったが、これを果敢にやった市役所もすごい。無難に成功を狙ったら、絶対にやらないだろう。

 でかけるときに、私は、「おもいきってやっておいで」、「骨は拾ってあげる」と隠密同心のようなことを言って、送りだしたが、力んでいたのは私だけだった。

 

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