松下啓一 自治・政策・まちづくり

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◇大和古寺風物詩・斑鳩(奈良)

2007-12-06 | 5.同行二人
 斑鳩を集中的に訪ねたのは1970年代の初めのころである。金はないが時間は、ふんだんにあるという学生にとって、斑鳩への道は各駅停車の旅であった。横浜から夜行で名古屋まで行き、そこから関西本線で奈良に入る。朝、鈴鹿峠を越えたときの高揚した気分は、今の新幹線では、とうてい味わえない。
 法隆寺から法輪寺、法起寺というのが私のいつもルートである。法隆寺といえば壊れた白壁、法輪寺の山深さ、田園風景のなかの法起寺、というのが私の思い出であるが、30年以上の時の流れは、風景を大きく変貌させた。法隆寺の白壁は、旅人を寄せ付けないように、高く堅牢になっていて、当時の思い出は、いくら探しても見つけることはできなかった。法輪寺の三重の塔は再建され、法起寺の横にはバイパスが通っていた。
 斑鳩も変わったが、私も変わった。
 帰りがけに「いきいきセンター」の看板を見かけると、魅かれるように歩き始め、気がつくと、その玄関に立っていた。受付のおじさんとひとしきり話をし、風呂にゆっくりと入り、つまらない冗談を言いながら食事をするというのが、私のいつものパターンになってしまった。
 春になったら、もう一度、亀井勝一郎を取り出して読んでみようと思う。
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大和古寺風物詩を読み直す (マロン教授)
2007-12-14 19:46:34
 郡山Iさんから、講演の丁重なお礼とともに『大和古寺風物詩』を読み直しているという知らせをいただいた。この本が理解できるようになったというメモも添えてあった。
 私も30年は読んでいないが、きっと、当時読めたものが今は読めなかったり、当時は理解できなかったことが、今では理解できるようになっているということがあるのだろう。
 私の本は、大阪国際大学の研究室のダンボールの中にあると思う。3月には引っ越す予定なので、今はそのままにして、4月には一番に出して、読んでみよう。忘れかけていた青春を思い出すよい機会となった。
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