孫が「お爺さん、お話をして。」
「何のお話をしようか。」
「何でもよい。」
「桃太郎のお話をしよう。」と始めると、孫が質問を始めた。
「昔昔というのは、紀元前かね、紀元後かね。」
「俺が知るか。」
「あるところというのは、山口県かね、北海道かね。」
「黙って聞かんかい。」
「お爺さんお婆さんの名前は、何と言ったね、年はいくつかね。」
「そんなことはどうでもよい。」
「人間が生まれるような桃は、どこに生っていたろうか。」
「話だから黙ってきけ。」
こういうふうで、孫の質問には辟易している、と私に愚痴をこぼす。
「お爺さん、この話はね、昔昔とは、いつでもよいから昔昔というの、
日本国なら何処でもよいから、あるところと言うの、
若い夫婦に子供が生まれたと言えば、どこから産まれるかと質問されたら
困るから、桃が流れてきたというのよ。
生まれた子供は男でも女でも、智仁勇の三徳を具えていなければいけない
というのよ。・・・犬とは勇気、猿とは智慧、雉とは情け・・・」(p.258-259)
「何のお話をしようか。」
「何でもよい。」
「桃太郎のお話をしよう。」と始めると、孫が質問を始めた。
「昔昔というのは、紀元前かね、紀元後かね。」
「俺が知るか。」
「あるところというのは、山口県かね、北海道かね。」
「黙って聞かんかい。」
「お爺さんお婆さんの名前は、何と言ったね、年はいくつかね。」
「そんなことはどうでもよい。」
「人間が生まれるような桃は、どこに生っていたろうか。」
「話だから黙ってきけ。」
こういうふうで、孫の質問には辟易している、と私に愚痴をこぼす。
「お爺さん、この話はね、昔昔とは、いつでもよいから昔昔というの、
日本国なら何処でもよいから、あるところと言うの、
若い夫婦に子供が生まれたと言えば、どこから産まれるかと質問されたら
困るから、桃が流れてきたというのよ。
生まれた子供は男でも女でも、智仁勇の三徳を具えていなければいけない
というのよ。・・・犬とは勇気、猿とは智慧、雉とは情け・・・」(p.258-259)