Color Room

おにむら歯科の副院長のひとり言

フランクル博士の奥さん

2013年06月04日 06時47分58秒 | インポート

昨日のブログで、私たち夫婦は食事を別々の時間にとる。私は夫の帰りを待たない・・・と書きました。

そうしたら、意味ある偶然の一致(シンクロニシティー)かもしれませんが、読んでいる本にこんなことが書いてありました。

よくこのブログでも登場するヴィクトール・フランクル博士(「夜と霧」の著者)の話です。

博士は2度結婚していますが、二人の奥さんはどちらも優れた人格の方で、フランクル哲学の研究の支えになった方です。

最初の奥さんは、博士が務めている病院の看護師ティリーさんでした。

博士がそのティリーさんと結婚を決意した時のエピソードです。

彼女と昼食の準備をしていたら、病院から緊急な脳手術のための呼び出しの電話がかかってきた。当然昼食は台無し。

二時間後、帰宅したフランクルに、食事もせず待っていたティリーさんがかけた言葉は・・・

「ああ、やっと帰ってきたの。ご飯待ったのよ」ではなく、「手術はどうだった?患者さんの具合はどう?」だった。

その瞬間。フランクルは「この娘を妻にしよう」と決めた。

「外見とかそんなものではなく、まさにそれが彼女そのものだったから」

「ティリーが美人だから結婚したのではない。もちろんその美しさにひかれなかったわけではないけれど、もっと私をひき付けたのは彼女の本質だった。その持って生まれた賢さや、巧みで思いやりのある配慮だった。」

と書いておられます。

私がティリーさんの立場だったら、はい、即座に失格!!

「お帰り。おなかすいて食べちゃった!!」・・・だもんね。

御馳走を前に2時間、私は待てんな~・・・

ティリーさんは素晴らしいですね。

二人の結婚生活はわずか9か月で打ち切られました。二人はナチスによって引き裂かれたからです。

フランクルがアウシュビッツに送られるとき、ティリーさんは弾薬工場で働くことが決まっていたにもかかわらず、自ら志願して、夫についていくのです。そしてそのままガス室へ送られたのでした。

フランクルは彼女の行く末、安否を知らないまま。でも、フランクルは収容所ではティリーさんと、ティリーさんが手を伸ばせばそこにいるかのごとく、精神的交流をされたそうです。

「彼女が生きていようと死んでいようと関係なかった。そのことを知る必要はなかった」

人間という存在は肉体の死によって消滅したりはしない。人間の本質は肉体ではなく、生死を超えた「精神」である。そうフランクルは確信するのです。・・・

素晴らしい業績を残された、フランクル博士。その陰にはやはり素晴らしい女性が存在するものなのですね。(実際2番目の奥さんも素晴らしい方だったそうです。その話はまたいつか)

・・・・・・・・・・・・・・・・

う~~~~~っ、お父さんごめん。私、やっぱり待てないわ!!

お先に いっただきま~~~す!!

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