出力道場

2016年から始めた出力練習

父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。

2019年09月24日 | 日記
前半は『銃・病原菌・鉄』みたいでワクワクします。あと、経済を説明するのに、神話がよく出てくるのにはギリシャ人らしくてドキドキします。あと、「マーロウ」とか「スクルージ」とか出てくるのは、英文学専攻としてはドギマギします。

でもなんだろう。。読み進めていけばいくほど、じじぃの説教を聞いてる気になってきますw。確かに私たちは、地球を壊してるし、金持ちに搾取される貧乏人もいっぱいいるんだと思いますけど。『プログレス』を読んじゃった私には、今の人間の生活が最悪だなんて思えないんです。

もちろん、搾取ばかりする悪代官もいっぱいいます。だけれども、どんな思いで、ご先祖様たちが、この住みやすい環境を作り上げてきたか考えると、憤りよりも感謝の気持ちが勝ってしまいます。

だが、このくだりは、しびれます。

「君には、いまの怒りをそのまま持ち続けてほしい。でも賢く、戦略的に怒り続けてほしい。そして機が熟したらそのときに、必要な行動をしてほしい。この世界を公正で理にかなった、あるべき姿にするために。」

うん。怒りは衝動的なものである限り、例えそれが正論だとしても、無駄なエネルギーになってしまう。その怒りのエネルギーを負の感情としてでなく、燃料として、体の中にとどめておいて、然るべき方法で、然るべき時に、出す。
そんな怒り方ができるようになるために、学び、鍛え、励まなければならないのだと思います。

エコノミックインテリジェンスが先進国で一番低い日本人。確かに政治や経済の話を飲み会でしたら煙たがられます。きっと深くは考えないように、育てられたんだと思います。でも気づいている人はいっぱいいて、日本人の中にも、今まで言っちゃいけなかったこと言う人増えてる気がして嬉しい。

学ぶってそう言うことなんだと思う。むやみやたらに、あなたのサイドから見た、正論を振りかざすのじゃなくて、現状に腹を立てたり嘆いたりするんじゃなくて、「賢く、戦略的に」怒る手段を身につけていくことなんだと思う。

勉強不足かもしれない。だけど今の市場社会が未熟だとは思っても、悪だとは思えません。

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