音楽一期一会

大人のピアノ教室講師の日々を綴ります

レッスンファイルNO.4

2014年07月08日 | レッスンファイル
Nさん (50代女性)girl start:2001/11


ピアノ経験:大人になってから




自宅教室の生徒さんです

初めて来られた日
Nさんは
大人になってからピアノを始めて
他の教室で何年か習っていたと
おっしゃったので

それまでに習っていた曲の中から
何か一曲弾いていただくよう
お願いをしました


しかし
その日は「何も弾けません」とおっしゃって
持って来られたソナチネの楽譜も
開いただけでほとんど弾かれません

きっと遠慮なさっているのかと思い
お話だけうかがって
教材は私の方で決めさせていただくことにしました


ところが
レッスンを始めてしばらくしても
なかなか前に進むことができません


残念ながら
彼女はそれまでのレッスンでは
基本的な運指の練習などを
ほとんどなさってこなかったようなのです


最近では
「大人のピアノ」が市民権を得て
楽譜売場には「大人の・・・」と銘打った楽譜が
たくさん並んでいます


しかし
一昔前は
ピアノは「子供のお稽古事」と考えられ
ピアノの先生方も
ほとんど子供しか教えたことがなく

大人のレッスンは
いわば片手間にされていた時代も
あったようです


Nさんのように
忙しい毎日を過ごす中で
ピアノを楽しみたいという大人の方には

指の練習などを無理強いすることを
先生が躊躇なさっていたのかもしれません


しかしながら
ピアノを楽しく演奏するためには

大人であろうと子供であろうと
基本的なテクニックが必要なことは
言うまでもありません


子供の頃に
ある程度の基本的なテクニックを習得された方は
必ずしも必要ではないかもしれませんが

大人になってピアノを始める方には
何らかの「指の練習」は
必要不可欠だと
私は思います



Nさんには
こういったことをお話し
ご了解を得て

初めに提示させていただいた楽譜を中断し
「ツェルニー5つの音による練習曲」
を使って
基本練習をしていただくことにしました

その後
「ピアノのテクニック」
「大人のためのテクニックマスター2~3」
などで
基本的な演奏テクニックを習得していただきながら

それと併用して
Nさんのお好きな
洋楽を中心としたポップスを弾いていただいています


とてもシャイな方なのか

以前は一曲弾く間に
ミスをするたびに
「スイマセン」「スイマセン」とおっしゃって

曲がその都度中断していたのが
気になっていました

しかしいつの頃からか
「スイマセン」の回数が徐々に減り

演奏に集中していただけるようになったことが
彼女にとって大きな進歩だと
私は思っています


今は
来年の発表会に向けて
「ハナミズキ」を練習中です