くもり のち あめ

うしろ向き、うしろ向き、たまに、まえ向き。

上から目線で仏の境地

2008-10-22 13:34:48 | 日記
夜の10時過ぎ。

TX秋葉原駅を歩いていた。

ホームではすでに電車が待機していた。

この時間帯は一番前の車両は女性専用車両になっている。

目の前のドアからおじさんが降りてきた。
女性専用車両だということに気がついたのだろう。

おじさんは2両目に向かって歩き出した。
自分はそのおじさんの背中を追う格好になった。

髪を後ろになでつけていて、
髪の色はかなり明るい茶色だ。
おそらく染めなければ白髪だろう。

髪の量は豊かとは言えず、地肌が見えていた。

体は大きくて、
上着は作業着のようなジャケットを羽織り、
下はスーツのパンツで、
黒のブリーフケースを肩から掛けていた。

年齢や風格からして、
どこかの工務店の社長さんのように見えた。

するとそのおじさんは上着の左ポケットから
ガムのゴミや紙くずをおもむろに取り出して、
電車とホームの隙間に投げ捨てた。

なんのためらいもなく、
一切躊躇する様子も見せずに。

あまりにも自然な動きだったので、
きっとこの人はいつもゴミをその辺に
投げ散らかす人間なのだろうなと思った。

なんだかわからないけれど、
この人は幸せになれるのだろうか?
はたまた、いま幸せに生きているのだろうか?
と、ふと考えてしまった。

ゴミをポイ捨てしただけで不幸になるなんてことは
ないだろうけれど、
なんだかその人の人格というか、
生き様というか、
考え方というか、
大袈裟だけどそういったものが背中越しに伝わってきて、
そんな人とは関わりたくない(友達になりたくない)
なと純粋に思ってしまって、
逆にその人からしてみたら、
そんな細かいことをグダグダ言う奴とは
こっちから願い下げだと思われてるかもしれない。

でも、小説を読んでいても時々出てくるが、
不器用で威張っていて口も悪い、たばこもポイ捨てしまくりだけど、
本当は弱くて、家族思いで、人情味あふれるキャラクター
とか存在するからなぁ・・・。

だからあのおじさんにもいいところのひとつや
ふたつくらいはあるだろうと、
上から目線でその背中を見つめたまま、
小説のキャラクターと重ねてみたら、
自分の理解を超える行動に対する憤りとか、
悲しい人だなっていう気持ちがやわらいだ。

いつの日かあのおじさんが、
ポイ捨てをする輩を叱るぐらいの
雷親父に生まれ変わりますように。

まさかいよいよ私も仏の境地?

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