主人公の言う『文化的雪かき』という言葉。
今の自分に置き換えるのならば『IT的雪かき』だ。
本当にピッタリだと思った。
目の前に雪があるから雪かきをするだけで、
誰がやっても雪かきは雪かきで、
面白くもなんともないものだ。
だけど一生懸命雪をかく。
目の前にある雪を一生懸命にかく。
『上手に踊るんだ。
周りが感心するくらい上手にステップを踏むんだ』
自分は今まで上手にステップを踏めてきただろうか。
その場、その場で最高のステップを踏めてきただろうか。
主人公はある目的に向けてステップを踏み続けてきた。
何かが起こるのをじっと待つこともあった。
自分の目的は何だろうか?
主人公のようにハッキリしてはいないけれど、
なんとなく漠然とあるような気もする。
上手に踊れるだろうか。
いや、踊らないといけないのだ。
34歳になったときの自分。
何をしているのだろうか。
現実と不思議な空間が混在している村上春樹おなじみの世界。
現実の世界がすごくリアルで、すぐにのめりこんでしまう。
青山の紀ノ国屋へ、よく調教されたレタスを買いに行きたくなる。
・ノルウェイの森
・世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
・海辺のカフカ
・ねじまき鳥クロニクル
・国境の南、太陽の西
・アフターダーク
今まで読んできた村上春樹の作品の中で、
今回読んだ『ダンス・ダンス・ダンス』が
一番好きな作品かもしれない。