
風土記:彌多仁社
延喜式:―
雲陽誌:大森明神(素戔嗚尊・大己貴命・稲田姫)
様 式:大社造変態
御祭神:大己貴命・須佐之男命・稲田姫命



朝日山から宍道湖北岸に向って延びた長く細い谷の西側に鎮座。鳥居を潜って石段を登りれば、すぐさま本殿を見つけることができる。拝殿はないが、本殿の向拝には龍の彫り物が施されており、風格があった。本殿左(南)には神楽殿があり、その向背には平成十九年建立の石祠が見える。また右側(北)には、境内社の若宮神社と歳徳神が祀られていた。この他、昭和帝の在位六十年を記念して植樹された招魂の木が丈をのばしている。



社頭の由緒書きに拠れば、当社は一般にはヤタニ社と呼ばれるものの、社伝に正しくはミタニ社とのこと。当国に縁深い三柱を祭り、狭隘な谷地にあって古くから安住を可能としたのはこれらの神の恩頼によるものだとして、篤く祭られた。古くは社地より西方200mの地点より潮が湧き、これを汲んで神前に供える祭りが催されたそうであるが、今日地勢の変化によって止まり、地名の塩谷にその名残を留めるとのこと。
〈境内社〉

『神国島根』に依れば、若宮神社となる。雲陽誌庄村の頁に若宮は國狭槌尊と記す。
〈所在地〉
島根県 松江市 荘成町
参拝日:平成24年 1月9日