風土記:朝酌上社
延喜式:―
雲陽誌:大森明神(宇津名姫命)
様 式:切妻小祠
御祭神:宇津名姫命
大橋川は宍道湖より東進し朝酌・剣先の両川を集めてと中海へと向かい、その北岸は朝酌地区と呼ばれている。朝酌小学校の真東、車道脇に苔むした狛犬一対と石灯一基が見え、草生す参道を奥へ進むと、歳徳神の堂、さらにその奥に大きな礎石上にのった小さな祠がある。楕円状の成地が二段に別かれてあり、下の壇北側には横穴古墳の開口していた。
出雲風土記嶋根郡には朝酌上の社、同じ下の社と記載されているが、初めは下の社のみが記されていたという。他の社がそれぞれ対記載されていることに倣い、朝酌上社が追補されたむきがあります。即ち、河畔の多賀神社を朝酌下の社、明治四十一年に多賀神社に合祀されるまでこの地にあった社を上の社とする見方が定着している。
『雲陽誌』朝酌頁にはまず多賀明神が真っ先に揚げられ、朝酌と名づけられる故事を踏まえて詳しく記されている。上下の別は詳しく記されておらず、ただ多賀神社と同じく一間四方の社を持つものとして大森明神の名が見え、祭神は宇津名姫命と記されている。
〈所在地〉
島根県 松江市 朝酌町
参拝日:平成24年 4月28日