警察官の仕事と採用試験の質問箱

警察官になりたい方のための仕事と採用試験の質問箱。冷やかし興味本位はNG。回答できない質問もありますのでご了承を。

公安とは警察の上部組織なのですか?

2007年10月23日 | 警察官の仕事
ご質問ありがとうございます。

 警察の上部組織にあたるのは「公安」ではなく「公安委員会」です。どちら名前が良く似ていますが、公安は警察の様々な部署の中の一つ、公安委員会は警察とは独立した一つの組織です。

 公安委員会は、都道府県警察を管理するため、その上部組織として各都道府県に設置される行政委員会です。ちょっと難しいですね。要するに警察の「お目付け役」というところでしょうか。とはいっても、公安委員会は警察の職務について、直接的に指揮することはないのですが・・・

 運転免許証を見ると、「○○県公安委員会」と印字されています。これは運転免許は公安委員会が交付しているからです。ですが、実際に運転免許試験場で業務を行っているのは警察です。



独身の警察官は寮暮らしをしないと同僚からの視線が痛いのでしょうか?

2007年10月17日 | 警察官の仕事
 ご質問ありがとうございます。

 本編の「警察官の住宅事情」にも書きましたが、警察学校を卒業し、新任配置される警察官は、地元に実家があるのでもない限り、独身寮に入ることをかなり強く勧められました。私の同期で一人暮らしの者は全員独身寮に入りました。

 ただしこれは昔のことですし、都道府県によってもその辺の慣習は違うと思います。「半強制」から「独身寮のほうが安いし良いよ」くらいのレベルまで様々だと思います。私たちの場合、数年たち、初めての人事異動を迎えるころから独身寮を出て部屋を借りて住む者もすこしづつ出てきました。

 独身寮を出て一人暮らしをすれば同僚の視線が痛いかということですが、独身寮に住むというのは、ある意味、帰属意識の表現で、独身寮に住まないよりは住んでいたほうが同僚との仲間意識を共有できるといったメリットはあります。ただ、どこに住もうが仕事ができる・できないとは何の関係もないわけで、しっかり仕事をする人に対して独身寮に住んでいないからといってケチをつける人はいないでしょう。

 ちなみに私は独身の間はずっと独身寮でした。部屋はほとんど寝るためだけのもので、何より安かったので結婚資金をしっかり貯められました!

将来捜査員を目指しています。スーツ・私服姿の捜査員はごく一部の優秀な存在なのですか?

2007年10月16日 | 警察官の仕事
 ご質問ありがとうございます。

 結論からいうと、ごく一部というわけではありませんし、特別に優秀だというわけではありません。

 スーツや私服の警察官は、刑事課や生活安全課などの捜査員ですが、たしかに、人数で言えば、交番勤務の制服警察官よりは人数は少ないです。しかし「ごく一部」というほど少ないわけではありません。まったく大雑把ですが(調べたことはありません。印象として)、制服と私服の割合は7:3といったところでしょうか。

 捜査員は専門職である以上、その分野について深く勉強しなければいけないので、選考や訓練があり、すべての警察官が捜査員になる(なれる)というわけではありません。ただ、上に書いた割合から考えても、捜査員を目指す若い警察官が、捜査員になるのは決して狭き門ではありません。捜査官を目指すやる気があれば、必ずなれるものと信じて、今の立場でできることをしっかりやることが大切と思います。

 しかし、いったん捜査員になればずっとそのままか、といえばそうではありません。捜査員畑を歩いてきた警察官も、時には交番勤務になることもあります。交番勤務は刑事事件から交通事故、近所のトラブルまで様々な事象に対応しければならない警察活動の基本だからです。捜査員には警察官全員がなるわけではありませんが、交番勤務は全ての警察官がしなければなりません。

警部補や警部、もしくはそれ以上の階級になるには一定の年齢を超えていなければならないのですか?

2007年10月12日 | 警察官の仕事
 ご質問ありありがとうございます。

 昇任試験の受験資格に年齢制限があるかどうか、私は知りません。
 しかし、警察官が昇任試験を受験するためには、現在の階級になってからある一定の年数がたたないと受験資格がありませんので、事実上、年齢制限があることになります。

警察官はお勧めできる職業でしょうか?

2007年10月10日 | 警察官の採用試験
 ご質問ありがとうございます。

 警察官がお勧めできる職業かというと、誰にでもお勧めできる職業ではないと思います。警察官に限らず、どんな職業にも向き・不向きはあると思いますが、警察官の場合、とくにそれが顕著だと思います。

 警察官は時に善良な市民に交通反則切符を切らないといけません。犯人検挙のためには職務質問が不可欠ですが、職務質問の相手の99%以上は何の関係もない市民です。何の関係もない人がいきなり警察官に職務質問されて不快に思うのはある意味当たり前で、怒り出す人さえいます。性格が優しすぎる人はこういう仕事には向かないかも知れません。
 
 逆に困っている人を見ても何とも思わない人、何かを感じても何もしようとしない人も警察官には向かないと思います。

 自分から見た自分、他人から見た自分、ご自分の性格・適正を冷静に考えてみるのがよいのではないでしょうか?就職サイトには適職診断などを行っているところもありますので、参考に試すのも一つの手です。

普段の生活にもいろいろな規制があるのでしょうか?

2007年10月09日 | 警察官の仕事
 ご質問ありがとうございます。

 警察官は会社員と違って公務員であり、職務内容が緊急性を要するもので、しかも司法に関係するものですから、やはり私生活においてもいくつかの規制というか、規則があります。

 まず、旅行に出るときは必ず許可が必要で、何月何日はどこそこに宿泊し、連絡先はここです、というように届け出ないといけません。もちろん警察官といえども人間なのですから、旅行をしてはいけないということはありません。しかし、常に(大きな)事件や災害が起こったときの連絡が取れなくてはいけないので、たとえば一週間休暇が取れらからといって、その間、何もかも忘れて当てのない放浪の旅に出る、ということは認められません。

 それから車を買うとか家を買うとか、大きな買い物をするときも上司に相談する必要があります。個人の支払能力をはるかに超えた買い物は不祥事など問題に発展する可能性がありますので、上司という第三者の目からみて、無理のない計画性のある買い物であるかどうかチェックするということです(もちろん、車や家を買うな、という意味のチェックではありません)。

 また、アルバイトをしてはいけないとか、事件のことを第三者にペラペラしゃべってはいけないとか、政治的行為の制限など、地方公務員法でいろいろと決まっています。

 

刑事になりたいのですが、自己裁量で働けるものですか?

2007年10月05日 | 警察官の仕事
ご質問ありがとうございます。
刑事は大変ですが、やりがいのある仕事だと思います。ぜひ頑張ってください。

さてご質問の件ですが「自己裁量」とは具体的にどういうことを意味しているのでしょうか?仕事のスケジュール・日程調整が自分でできるかということでしょうか?もしそうなら答えはNOです。

例えば今度の日曜に彼女とディズニーランドでデートする約束をしていたとしましょう。その日曜日に事件が起これば容赦なく呼び出されます。
いつ起こるかわからない事件に対応するのが刑事だけでなく警察官の仕事ですから、そういう意味での自己裁量には限界があります。

あるいは、自分と上司の意見が分かれたばあい、自分の考えを押し通せるか、自分の考えで単独行動できるか、ということでしょうか?それも答えはNOです。
警察だけでなく、どんな会社でも上司と意見が分かれた場合、部下が命令に反して単独行動をすることは許されません。それが会社の一員になるということです。

 あるいは、ある事件の捜査に関わっていて、「○○について裏づけを取って来い」と指示された場合、その方法は自分に任されるかどうか、ということでしょうか。
 そういう意味であれば、仕事のでき、信頼されている人なら任せていても結果を出すので任されるでしょうし、新米刑事ならばそんな指示のされ方はないでしょう。