沖縄の食材が勢ぞろいし、年間220万人以上の観光客が訪れる那覇市の第一牧志公設市場について、設置者の同市は老朽化した施設を現地で建て替える方針を決めた。今年度中に基本設計を固め、2019年度から解体工事に入る。入居する店は近くの仮設施設で営業を続けるが、22年度に開業する新施設が市場の持つ独特の雰囲気を失うのではないかと心配する声もある。
同市場は、戦後の闇市が発展する形で1950年に開設された。69年には火災で一部店舗が焼失。改築を経て、本土復帰後の72年、現在の建物(鉄骨コンクリート造一部4階建て)となった。
市場の主要部分は1、2階で、精肉店や鮮魚店、食堂など約130店が軒を連ねる。昔ながらの雰囲気が残る店先には、豚の頭やイラブー(エラブウミヘビ)の薫製、色鮮やかな魚介類など、沖縄ならではの食材が並び、買った食材を2階の食堂で調理してもらえるサービスも人気だ。国内外から年間で推計約226万人が訪れている。
市が2006年に行った建物の強度調査で、建て替えの必要性が判明。当初は、約100メートル離れた場所への移転案も浮上したが、市場関係者から「人の流れが変わり、客足が遠のく」と不安視する声が上がり、現在地での建て替えが決まった。
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