九州大、東北大と沖縄科学技術大学院大(OIST)の佐藤矩行教授らの研究チームは、ハブの毒に246種類ものタンパク質が含まれていることを明らかにした。
ヘビの毒がここまで詳しく分析されたのは世界で初めて。
26日、国際学術誌サイエンティフィックレポートに掲載された。
ハブにかまれると出血が止まらなくなり、酸素を運ぶことができず筋肉などの組織が壊死(えし)する。
今回の成果は解毒治療に使用する抗毒素の改良や、これらのタンパク質を用いた新しい医薬品開発に道を開く。
研究チームは奄美大島で捕獲されたハブのDNAとRNAから全ゲノム配列を解読し、毒となるタンパク質を作る遺伝子60個を特定した。
各遺伝子は複数のタンパク質を作り、毒型タンパク質は合計246種類にもなることが分かった。
この60個とよく似た遺伝子はほかに224あり、毒のないタンパク質405種類を作っていた。
毒型のタンパク質を作る遺伝子と非毒型の遺伝子を比べると、毒型は非毒型よりも格段に早い速度で進化していたことも分かった。
佐藤教授は「ハブは非常に速く複雑に毒に関わる遺伝子を進化させ、強い効果を身に付けたことが分かった。想像以上だ」と驚き、「特徴ある3大学が協力してこその成果」と強調した。
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