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人間国宝に琉球古典音楽の中村一雄さん 県内から13人目 文化審議会が答申

2019-07-19 20:11:40 | ニュース

「琉球古典音楽」の人間国宝に認定されることが決まったな中村一雄さん

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国の文化審議会(佐藤信会長)は19日、国指定重要無形文化財「琉球古典音楽」(各個認定)保持者=人間国宝=に琉球古典音楽・野村流伝統音楽協会会長の中村一雄さん(73)=那覇市宇栄原、久米島町出身=を認定するよう柴山昌彦文部科学相に答申した。重要無形文化財「組踊」の保持者(総合認定)に12人を追加認定することも答申した。中村さんは「芸に完成はない。生きている限り一生懸命磨き続けたい」と語った。

県内の人間国宝は13人目で(このうち4人は物故により現在は解除)芸能分野は8人目になる。国指定重要無形文化財「琉球古典音楽」(各個認定)保持者の文科相への答申は、2000年の照喜名朝一さんと島袋正雄さん(18年死去)以来。県内の芸能分野では現在、照喜名さんのほかに「組踊音楽歌三線」の城間德太郎さんと西江喜春さん、「組踊立方」の宮城能鳳さん、「組踊音楽太鼓」の比嘉聰さんが活躍している。

「琉球古典音楽」は、琉球王朝時代に士族が中心となり継承し、現在に伝承される伝統音楽。三線と密接に関わって発展し、箏や笛、太鼓などを伴奏楽器に加えて発展した。三線は「歌三線」と呼ばれ、弾きながら歌う。琉球古典音楽は、組踊や琉球舞踊でも演奏される。

文化審議会は中村さんについて、「歌詞と曲趣を的確に捉え、滋味ある歌声によって情感豊かに表現する」「活発な舞台活動を展開する一方、16年には野村流伝統音楽協会会長に就任するなど斯界(しかい)の要職を務め、自身の弟子ばかりでなく広く後進の指導にあたり、斯界の振興発展に貢献している」と答申した。

中村さんに加え今回は「歌舞伎音楽竹本」の重要無形文化財指定と同保持者に竹本葵太夫(本名・柳瀬信吾)さん(58)=東京都=、「人形浄瑠璃文楽太夫」に豊竹咲太夫(本名・生田陽三)さん(75)=大阪府=、「歌舞伎脇役」に片岡秀太郎(本名・片岡彦人)さん(77)=大阪府=、「長唄三味線」に杵屋勝国(本名・牟田口照國)さん(74)=東京都=、「長唄鳴物」に藤舎名生(本名・中川勲)さん(78)=京都府=、「講談」に神田松鯉(本名・渡邉孝夫)さん(76)=東京都=の認定が答申された。

人間国宝は例年、9~10月の官報告示をもって正式に認定される。

【プロフィル】
中村一雄(なかむら・いちお) 沖縄県島尻郡具志川村(現島尻郡久米島町)生まれ。1970年、野村流三線演奏家の野村義雄氏に師事し、琉球古典音楽を始める。74年に野村流三線演奏家の知念秀雄氏に師事。県指定無形文化財では2001年に「沖縄伝統舞踊」保持者(17年まで)、08年に「沖縄伝統音楽野村流」保持者に認定された。国指定重要無形文化財(総合認定)では01年に「組踊」、17年に「琉球舞踊」の保持者になった。16年より野村流伝統音楽協会会長。

 

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