発見された城壁を説明する中城村教委の渡久地真文化係長。中央の黄色い石積みが14世紀前半の城壁。手前は近代に積まれた城壁で、上部は15世紀前半の城壁=23日、中城城跡
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中城城跡で14世紀前半に積まれたとみられる新たな城壁が見つかった。城壁は19世紀末以降に築かれた城壁の内側に積まれていた。中城村教育委員会が城壁修理のため、石積みの解体を行っており、その作業で発見された。護佐丸以前に城にいたと伝承される先中城按司の時代に築かれたとみられる。従来、中城城の築城は14世紀後半とされてきたが、時期がさかのぼり、城の歴史が書き換わることになる。専門家は「築いた按司の力を示すものとも言える。石積みの時期が特定されることは珍しい。まれな発見だ」と話している。
古い城壁の基礎になっている地層に13世紀後半から14世紀前半の土であることを示す中国の陶磁器の一部が見つかり、おおよその築造年代の特定につながった。角を削り取るなど、精緻に加工した切石(きりいし)を用いており、一の郭(かく)の後に築かれた城壁に比べて丁寧に積み上げてあるのが特徴だ。
15世紀の前半には先中城按司か、護佐丸のどちらかがこの石垣の上に新たに城壁を築いた。
高さを約13メートルに上げ、一の郭を拡張している。防御を強化する目的だったとみられる。
発見された古い城壁は、新たに積まれた城壁によって覆われていた。
築城から年月がたち、傷みが出始めた古い城壁を外から覆って保護したとみられる。
2月4日からは石垣の積み戻しが始まる。村教委の渡久地真文化係長は「再び見られることはまずないだろう。多くの方に見てもらいたい」と呼び掛けた。