去年、一跡二跳の古城十忍のトークショーを聞きにいった。
古城さんは高校演劇の審査員を頼まれることも多く、その辛口批評でも有名。
その高校演劇の話も出て、それがなかなか興味深いものだった。以下に再録する。
「高校演劇の世界」というのは実に特殊で、演劇でありながら勝った負けたを言い合うのは高校演劇だけ。「○○高校の演劇部って強い?」という会話が交わされるらしい。
コンクールには時間制限(少しでも時間をオーバーすると失格)があるため作品選びには苦慮するという。ネットで登場人物○人、上演○時間を入力するとそれにあった台本が検索できるシステムがあり、質の玉石混交が頭痛の種。素人の駄作も多く含まれており問題が多いそうだ。
上位入賞校はおおむね演劇顧問の実力が左右する傾向が強い。地方のアマチュア演劇をやっている人の中には、本職は教諭という人が意外にいてそこからプロの劇団になる例も多い。(最近の例では青森の「弘前劇場」)名目上はあくまで現職教師で演劇顧問だが実態はセミプロに近い。ただし以前に現役の高校生ですごく上手い子(彼女は演出担当)がいた。即「プロにおなりなさい」と勧めたそうだ。
コンクールは、このようにずぶの素人とセミプロが同じ土俵で競うという不公平な実態はあるもののトップクラスともなると下手なプロより余程上手い。日本演劇の将来のためにも自分はこのシステムには賛成だという。
演劇部を維持するのがやっとという高校も多い。(演劇の実力では)底辺校の参加者たちに対し、少しはほめてやって欲しいという声もある。
コンクールの舞台は最初の1分でだいたい見極めがつくそうだ。すべての舞台を審査するのは大変なシンドイことらしい。自分は、審査員としてアドバイスは必ずするし、良いところ(注・・悪いところにあらず)にはダメだしもする。だが決してヨイショはしない。
コンクールというシステムである以上は非情な面もあるが、むしろ学校現場の悪しき平等主義こそ問題ではと古城。
実際のところ高校演劇は、演劇という文化活動にもかかわらず地区大会→県大会→ブロック大会を勝ち抜き全国大会優勝を目指すところなどまるで高校野球とそっくり。
高校演劇のページの掲示板によると広島県内の高校演劇部(★印)の活躍ぶりは以下のとおり。
去年の秋の広島県大会の結果(日程・会場は不明)
★金賞 広島県立広島観音高校「青いままで」(中国大会へ)
★金賞 広島市立舟入高校「夏の伝言」(中国大会へ)
銀賞 広島市立美鈴が丘高校「イカロスたちの詩」
銀賞 広島県立自彊高校「夏芙蓉」
銀賞 広島市立沼田高校「君といっしょに」
特別賞 福山市立福山高校「RW」
特別賞 清水ヶ丘高校「半熟夢卵」
創作脚本賞 玉野恵里子「青いままで」(広島観音高校)
審査員(敬称略)
菅村敬次郎・守輪咲良・天野充・岡田聖子
第42回中国地区高等学校演劇発表会(11月20日~21日) 倉敷市芸文館にて
最優秀賞(文部科学大臣奨励賞):山口県立華陵高校「報道センター123」迦陵頻伽:作 ・・・全国大会へ
優秀賞(全国高等学校演劇協議会会長賞):岡山県立岡山一宮高校「HERO」國米俊行:作
優秀賞(岡山県教育委員会教育長賞):鳥取県立倉吉産業・倉吉総合産業高校「私ライオンになりたい!」板かやや:作
優秀賞(倉敷市教育委員会教育長賞):島根県立三刀屋高校「お葬式」亀尾佳宏:作
優良賞(中国高等学校演劇協議会会長賞)(上演順)
岡山県立作陽高校「交番へ行こう」大垣裕史:作
★広島市立舟入高校「夏の伝言」黒瀬貴之:作
山口県立宇部西高校「ユメ カタリ」楽静:作
岡山県立玉野高校「SMILE」市末里奈:作
島根県立松江東高校「Shine」岩町暁:作
鳥取県立米子高校「七人の部長 ヨナゴ高校編」越智優:作、米子高校演劇部潤色
★広島県立広島観音高校「青いままで」池田幸恵:原案、玉野恵里子:作
創作脚本賞(中国高等学校演劇協議会会長賞):國米俊行(岡山一宮)「HERO」
審査員特別賞:「青いままで」(広島観音)
ちなみに昨年行われた全国大会の結果は以下のとおり、確かに年度をまたいで開催されている。
第50回全国高等学校演劇大会in徳島(平成16年7月30日~8月1日)鳴門市文化会館にて
北海道/網走南ヶ丘高校『チキン・カレー』
近畿/大谷高等学校 『飛び人 ~とびびと』
中国/広島市立美鈴が丘高等学校『おばあちゃんのボタン』
九州/池田学園池田高等学校『てんぷら』
東北/山形県立東根工業高校「扉の向こうに」
中部/滝高校「ライアー!ライアー!ライアー!」
四国/徳島県立城東高等学校「幽霊部員はここにいる」
関東(ひたちなか会場)/東京都立駒場高等学校「Is アイズ」
神奈川県法政大学第二高等学校「ロック」
関東(黒磯会場) /作新学院高校「超正義のヒト」
全国大会結果
最優秀校 「超 正義の人」 栃木県 私立作新学院 高等学校
優秀校 「チキン・カレー」 北海道 網走南ヶ丘高等学校
「おばあちゃんのボタン」 広島県 広島市立美鈴が丘高等学校
「ロック」 神奈川県 私立法政大学第二高等学校
創作脚本賞 北海道網走南ヶ丘高等学校 「チキン・カレー」溝口 勲さん
舞台芸術賞 栃木県 私立作新学院高等学校
第51回全国高校演劇大会は平成17年7月29日~31日 青森県八戸公会堂で行われる予定。
古城さんは高校演劇の審査員を頼まれることも多く、その辛口批評でも有名。
その高校演劇の話も出て、それがなかなか興味深いものだった。以下に再録する。
「高校演劇の世界」というのは実に特殊で、演劇でありながら勝った負けたを言い合うのは高校演劇だけ。「○○高校の演劇部って強い?」という会話が交わされるらしい。
コンクールには時間制限(少しでも時間をオーバーすると失格)があるため作品選びには苦慮するという。ネットで登場人物○人、上演○時間を入力するとそれにあった台本が検索できるシステムがあり、質の玉石混交が頭痛の種。素人の駄作も多く含まれており問題が多いそうだ。
上位入賞校はおおむね演劇顧問の実力が左右する傾向が強い。地方のアマチュア演劇をやっている人の中には、本職は教諭という人が意外にいてそこからプロの劇団になる例も多い。(最近の例では青森の「弘前劇場」)名目上はあくまで現職教師で演劇顧問だが実態はセミプロに近い。ただし以前に現役の高校生ですごく上手い子(彼女は演出担当)がいた。即「プロにおなりなさい」と勧めたそうだ。
コンクールは、このようにずぶの素人とセミプロが同じ土俵で競うという不公平な実態はあるもののトップクラスともなると下手なプロより余程上手い。日本演劇の将来のためにも自分はこのシステムには賛成だという。
演劇部を維持するのがやっとという高校も多い。(演劇の実力では)底辺校の参加者たちに対し、少しはほめてやって欲しいという声もある。
コンクールの舞台は最初の1分でだいたい見極めがつくそうだ。すべての舞台を審査するのは大変なシンドイことらしい。自分は、審査員としてアドバイスは必ずするし、良いところ(注・・悪いところにあらず)にはダメだしもする。だが決してヨイショはしない。
コンクールというシステムである以上は非情な面もあるが、むしろ学校現場の悪しき平等主義こそ問題ではと古城。
実際のところ高校演劇は、演劇という文化活動にもかかわらず地区大会→県大会→ブロック大会を勝ち抜き全国大会優勝を目指すところなどまるで高校野球とそっくり。
高校演劇のページの掲示板によると広島県内の高校演劇部(★印)の活躍ぶりは以下のとおり。
去年の秋の広島県大会の結果(日程・会場は不明)
★金賞 広島県立広島観音高校「青いままで」(中国大会へ)
★金賞 広島市立舟入高校「夏の伝言」(中国大会へ)
銀賞 広島市立美鈴が丘高校「イカロスたちの詩」
銀賞 広島県立自彊高校「夏芙蓉」
銀賞 広島市立沼田高校「君といっしょに」
特別賞 福山市立福山高校「RW」
特別賞 清水ヶ丘高校「半熟夢卵」
創作脚本賞 玉野恵里子「青いままで」(広島観音高校)
審査員(敬称略)
菅村敬次郎・守輪咲良・天野充・岡田聖子
第42回中国地区高等学校演劇発表会(11月20日~21日) 倉敷市芸文館にて
最優秀賞(文部科学大臣奨励賞):山口県立華陵高校「報道センター123」迦陵頻伽:作 ・・・全国大会へ
優秀賞(全国高等学校演劇協議会会長賞):岡山県立岡山一宮高校「HERO」國米俊行:作
優秀賞(岡山県教育委員会教育長賞):鳥取県立倉吉産業・倉吉総合産業高校「私ライオンになりたい!」板かやや:作
優秀賞(倉敷市教育委員会教育長賞):島根県立三刀屋高校「お葬式」亀尾佳宏:作
優良賞(中国高等学校演劇協議会会長賞)(上演順)
岡山県立作陽高校「交番へ行こう」大垣裕史:作
★広島市立舟入高校「夏の伝言」黒瀬貴之:作
山口県立宇部西高校「ユメ カタリ」楽静:作
岡山県立玉野高校「SMILE」市末里奈:作
島根県立松江東高校「Shine」岩町暁:作
鳥取県立米子高校「七人の部長 ヨナゴ高校編」越智優:作、米子高校演劇部潤色
★広島県立広島観音高校「青いままで」池田幸恵:原案、玉野恵里子:作
創作脚本賞(中国高等学校演劇協議会会長賞):國米俊行(岡山一宮)「HERO」
審査員特別賞:「青いままで」(広島観音)
ちなみに昨年行われた全国大会の結果は以下のとおり、確かに年度をまたいで開催されている。
第50回全国高等学校演劇大会in徳島(平成16年7月30日~8月1日)鳴門市文化会館にて
北海道/網走南ヶ丘高校『チキン・カレー』
近畿/大谷高等学校 『飛び人 ~とびびと』
中国/広島市立美鈴が丘高等学校『おばあちゃんのボタン』
九州/池田学園池田高等学校『てんぷら』
東北/山形県立東根工業高校「扉の向こうに」
中部/滝高校「ライアー!ライアー!ライアー!」
四国/徳島県立城東高等学校「幽霊部員はここにいる」
関東(ひたちなか会場)/東京都立駒場高等学校「Is アイズ」
神奈川県法政大学第二高等学校「ロック」
関東(黒磯会場) /作新学院高校「超正義のヒト」
全国大会結果
最優秀校 「超 正義の人」 栃木県 私立作新学院 高等学校
優秀校 「チキン・カレー」 北海道 網走南ヶ丘高等学校
「おばあちゃんのボタン」 広島県 広島市立美鈴が丘高等学校
「ロック」 神奈川県 私立法政大学第二高等学校
創作脚本賞 北海道網走南ヶ丘高等学校 「チキン・カレー」溝口 勲さん
舞台芸術賞 栃木県 私立作新学院高等学校
第51回全国高校演劇大会は平成17年7月29日~31日 青森県八戸公会堂で行われる予定。
「○○高校の演劇部って強い?」
それを言うなら「上手い?」「面白い?」「かっこいい?」ですよね。やっぱり芝居に「強い」という概念が持込まれるのは、変だと思います。あと「最初の1分でだいたい見極めがつく」というのは、べつにコンクールに限らないと思います。
観てみたいと思ったら次回は青森ですか。観に行くにはちょっと遠いです。来年以降に期待します。
青山高校の名物、外苑祭の季節となりました。今回で58回目を迎える伝統ある行事ですが、近年は回を重ねるごとに入場者数が増加しており、今年も大いに盛り上がる事を期待しています。
外苑祭が現在の形になってから早くも14年、今年も例年通り全てのクラスが演劇またはミュージカルを催し、この2日間のために、生徒たちは夏休みはもちろん1学期から長い時間をかけて準備をします。
すっごく面白いって噂です。六角形さんのところからはお近いのでは。
高校演劇が顧問の実力によって左右されるというのは想像に難くないですが、それじゃあ何を評価しているのかって疑問が残ります。生徒が置き去りになっていないかが心配。
個性ある人材を発掘するとか才能を引き出すという目的であれば、戯曲賞や演出賞などもっと細分化していくと思うのですが、全体の評価という曖昧な評定で強い弱いを決めてしまっている今の高校演劇のあり方には疑問をもっています。
高校演劇を観たことが無い人間が言っても詮無いですが、世の中役者希望は多いのに劇作家や演出家が少なかったり育っていないのはこの辺りにも原因はがあるんじゃないかと思います。
とはいえ、観る側としては高校演劇も面白そうですね。観に行くのにはちょっと勇気が要る気がしますが。
PS.事後連絡で申し訳ありませんが、私のblogにリンク貼らせて頂きました。問題があればご連絡ください。
もっとも地元のアマチュア演劇の役者志望の卵さんたちだって信じられないくらい他所の芝居を観ない。
だからやってられるってところもあるんでしょうね。
こちらの市民劇場では高校生の会費は大人会費の約半額たしか月額1000円くらいで年6回の例会を観られるようになっていて学校帰りの制服姿の高校生の姿も時折見かけます。でも旬の芝居は・・。
そもそも広島公演に来ないって現状もあるし。
このようなブログがあるなんて・・・。今改めて結果を見て、あと二つだたのかと思うと戻れない高校生活が懐かしくなります。高校に入って始めた演劇ですが、ドップリはまってしまいました。
今年うちの学校は県大会に行けませんでしたが、昨年の喜びと、今年の悔しさを糧に頑張って欲しいものです。もっともっと高校演劇の良さを多くの方に知っていただきたいです。
学校生活の中でいろいろな制約があり、でもやっぱりそこには芝居の魅力がある。中国地区大会、とっても楽しみにしているんですよ。
ちなみに今年の広島県大会の結果は下記のようです。
高校生のお芝居も、たくさんの観客に観てもらえるようになるといいですね。
広島県大会の結果
金賞:広島市立舟入高校「ほしになった ふね」黒瀬貴之:作(顧問創作)・・・中国大会へ
金賞:ノートルダム清心高校「スティル・アライブ」兼桝綾:作(生徒創作)・・・中国大会へ
金賞:広島市立美鈴が丘高校「父さん、一緒に帰ろ」門司秀子:作『とうだんとこえた海』より,山内弘行・長友朱里:脚色・・・中国大会へ
銀賞:広島県立観音高校「HOME...」松尾夏樹:作(生徒創作)
銀賞:清水ヶ丘高校「うみ、ふたり」清水ヶ丘高校演劇部・岡田隆一:作(生徒顧問創作)
特別賞:広島県立三次高校「Class room」棚橋ユカ:作
特別賞:広島県尾道高校「Peaceful Peaches!!」ノゾヱセーイチ:作
創作脚本賞:兼桝綾(ノートルダム清心高校)
最近、県大会に進めても賞に入っていないようですが、劇を見ている客が(ほぼ全員)泣いていたのを私は覚えています。
私的に劇は評価だけでなく、客の中にファンを作るという事が出来る学校をほめたいです。
私自身はそれほどたくさん観たわけではないのですが、やはり高校演劇の魅力ってありますよね。
いろいろな見方をする観客がふえればもっともっと面白くなるだろうと思います。
高校演劇としてカテゴリー分けをしてみました。
よろしかったらまたぜひ当プログをご訪問くださいませ。