女児が残した詩や絵には、アレルギーのある子どもたちを救いたいという思いが込められている=渡辺光彦撮影
東京都調布市で昨年12月、給食で食物アレルギーのあるチーズ入りの料理を食べた後に死亡した小学5年生の女児の両親が、横浜市で19日に開かれる日本小児アレルギー学会のシンポジウムへの出席を前に、読売新聞のインタビューに応じた。
19日は女児の12回目の誕生日。両親は「娘に背中を押された気がする。二度と同じような事故が起きないように、参加者に娘のことを知ってもらいたい」と胸中を明かした。
事故は昨年12月20日、調布市立富士見台小で起きた。女児が給食で、アレルギーのあるチーズ入りの料理を食べ、体調不良を訴えた後に亡くなった。
女児の夢は生物学者。幼い頃から重い障害を抱えていたヘレン・ケラーに関する漫画を繰り返し読み、「研究者になって、アレルギーで困っている子どもたちを助ける研究をしたい」と話していた。両親は「娘は食べられない物があることをマイナスと考えず、前向きにとらえていた」と振り返る。
アレルギーは1歳の頃に判明した。2歳の時、保育園で誤ってチーズを食べて入院したこともあったが、食事には細心の注意を払い、給食も学校と協力して5年生になるまで問題はなかった。しかし、女児にチーズ入りの料理を出した学校側の不注意で事故は起きた。
「娘なら世の中に役立とうと頑張ったと思う。娘がいない今、私たちが頑張らないと」。両親は事故後、調布市の再発防止検討委員会に「アレルギーを持つ子どもや保護者の安心につながる施策を作り上げてほしい」とメッセージを寄せた。文部科学省の有識者会議の委員には、アレルギーを持つ子の情報を学校内で共有する仕組みを作るよう求めた。
事故の数か月前、女児は「私に何かあったら臓器提供してね」と話していた。驚く両親に「それで命が助かる人がいるなら、その方がずっといいじゃん」と念を押したという。
「臓器提供はできなかったけど、娘の命を無駄にしたくない。アレルギーに悩む子どもの助けになるのなら」。両親はシンポジウムに出席し、娘の思いを医師や教育関係者らに伝える。
(2013年10月18日15時33分
読売新聞)
関連ニュース
・ページが見つかりません:イザ!
・ページが見つかりません:イザ!
・ページが見つかりません:イザ!
・ブラジリアンワックス 大阪