世の中がデフレになって久しい。
市場に競争原理が働き、いい物が安く買えるのは嬉しいことである。しかし、度を越した安売り競争に走ると、回り回って自分たちの収入が減ってくる。消費が落ち込むので、物をさらに安くするところが出てくるので、デフレに陥るのだろう。
やはり物には正しい価格というのが必要なのだろう。
少し前にCSで「キム マンドク」という韓国の女性商人を描いたドラマをやっていた。
物が少ないとき・地域に品物を送ったり、物に付加価値をつけて高く売ったりすることにより商売をしていったようである。しかし、暴利をむさぼることなく、加工品の生産者が作ったいい物には、いい賃金を払い信頼関係を大切にしたという。しかも、済州島の飢饉の際には、私財を投げ打って食料を振る舞い、民衆に深く尊敬されたというものである。
この中で印象的だったのは、「物が売れない時でも、製品の質は決して落とさないでください。信用が第一だから」と言っていたことである。
私は高く売れるものには主に三種類あると思う。
�しっかりとつくられたもの(例 安全な食料、縫製のしっかりした服、バッグなど)
�ネームバリューのあるもの(例 ヴィ◆◆のバッグなどのブランド物やキャラクターものなど)
�デザインがいい物
�のブランド物などは、�の元々しっかりしたものであることが多いと思う。いいものだからネームバリューがついて、売れるといういいスパイラルなのだろう。
先日子供を連れてあるキャラクターのショーに行ったが、そこで売られていたキャラクターのプラスチックマグカップに入ったかき氷がなんと1,700円もした。これは子供が�により選択したのだろう。しかし、私にはかき氷一杯に1,700円というのは物の正しい値段とは思えなかったのである。
反対に我々が業務で仕事を委託する際に、数社から見積もりを出してもらうことがよくある。定価などあってないようなものという業務もあるかもしれないが、たとえば物品であれば我々が一消費者として買う際の金額からは考えられないほど安いこともよくある。これでは儲けが出ないのではないかと心配することも多い。
談合などにより金額が高止まりするのはよくないが、いい品質の物が正しい値段で商取引が成り立てば、不況もよくなってくるのではないかと思う。
いい物が売れなくなるのは、安いものに飛びつく我々消費者のせいでもあるだろう。