Flour of Life

煩悩のおもむくままな日々を、だらだらと綴っております。

瀬戸内国際芸術祭2016 メギってオギって その3

2016-11-08 19:27:59 | 瀬戸芸


約20分の船旅の後、男木島に着きました。今回の瀬戸芸で訪問する最後の島です。なぜ男木島を最後にしたかというと、今までの瀬戸芸で訪問した中で、一番好きな島だからです。一番好きなのに、滞在できるのはほんの2時間足らず。おのれのスケジューリング能力の至らなさに涙が出ます。

しかし泣いてばかりはいられません。さっさと回りましょう。

まずは、フェリーを降りてすぐそばにあった、昭和40年会の「昭和40年会男木学校 PSS40」です。古い民家のひとつひとうの部屋が、作品になっていました。



玄関あがってすぐのところにあった、謎の祭壇?仏壇?横溝?な空間。ひとつひとつをじっくり見る余裕がないのが悲しい。



2階の奥の部屋にあった、会田誠さんの作品(とおぼしきもの)。この民家はつくりが複雑で廊下が狭いので、他の来場者とぶつからないようにするのがちょっと大変でした。この民家を出てからも、きっとこの後島のあちこちでばったり顔を合わせるだろうから、トラブルにならないよう気をつけないといけませんので。まあ、よっぽどじゃないと来場者同士のトラブルなんてないだろうけど。

次は、川島猛とドリームフレンズの「かれーどすこーぷ ブラック&ホワイト」です。狭い坂道を上って曲がってちょっと下って、ゼイゼイ言いながら到着。



中に入ると、白と黒で描かれた模様が壁にも床にもびっしり。境目がわかりません。



入口で、これと同じ模様の服を貸し出していました。着ると保護色になって、自分がどこにいるのか敵にわからなくなるかも…って敵ってだれよ。



一部の壁には、鏡が張ってありました。写真だと境目がうっすらわかるけど、現地では距離がわからなくてぶち当たりそうになりました。
川島猛さんの作品は私のツボにドンピシャはまるものばかりで、今回も楽しめました。欲を言えば、この作品の前にあったカフェに行列ができてなければ…めおんバーガーが食べられたのに。えっ、さっき女木島で昼飯食っただろって?え~記憶にございません。

お次はこれまた私のツボにドンピシャの、松本秋則さんの「アキノリウム」です。古い民家の1階と2階に作品が展示されています。メインは2階の作品で、入場制限がかかっていたので、2階に上がれるまで1階で座って待っていました。



待っている間に見た影絵。動きます。素敵過ぎて「うっひょー」とか「むはー」とか「どぅふぇー」とか、意味不明の奇声を発しそうになりました。いや、実際は出してないですよ。心の中だけの話です。

2階に上がりました。



2階のあちこちに設置されたオブジェが、モーターで動きながらカラコロと音を奏でる、幻想的な空間でした。むはー!



白い砂に映し出される影も素敵。



1階と2階をつなぐ、吹き抜け部分。こういうのってどうやったら思いつくんだろう。

いつまでも滞在したくなる、素敵な空間でしたが、待っている人がいるので降りなくてはいけません。瀬戸芸が終わったら、この作品が見られなくのはもったいない…けれどその儚さもまた作品の魅力だろうから、仕方ないですね。松本秋則さんの次回作に期待します!次の瀬戸芸も参加してください!

アキノリウムの後は、これまた私の大好きな作品、高橋治希さんの「SEA VINE」です。



逆光で暗くなってしまいましたが、実際はもっと明るくて色鮮やかな作品です。



花びらと葉っぱのひとつひとつに、瀬戸内の景色が描かれています。



部屋のあちこちで、渦を巻く蔓。維持するのは大変だろうけど、いつまでも遺してほしい作品です。

次もまた、前回から引き続き展示されている作品。栗真由美さんの「記憶のボトル」です。この作品は蔵の中にあるのですが、受付していたスタッフのおじさんが、やたら元気な方でした。中に入ると、



島に住む人たちの記憶が、小さなボトルにおさめられています。
部屋の四隅には、テーマカラーごとに分けて、ボトルが吊るされていました。



どこかノスタルジックな赤。



ブルー。ブルーを表現するのに、海と空は欠かせません。



ビタミンカラーの黄色は、生命力を感じさせます。



白。猫の写真、赤ちゃんの写真。ピュアなイメージ?
作品を見終わって蔵から出たら、受付のおじさんが来場者に向けて「スマホの自撮りモードで撮るとすごい写真が撮れるよー」と教えていました。おい、それ私にも教えてよ!

蔵の前にあった、谷口智子さんの「オルガン」。



写真にはうまく写らなかったけど、実際はガラスの向こうに景色が見えます。

少し坂を上って、リン・ティエンミャオさんの「自転-公転」に行きました。こちらは新規の作品です。



古い日用品をつかってオブジェを作り、モーターで回しています。



今では使われなくなった道具が、形を変えて蘇る…というか、付喪神(つくもがみ)みたい?

男木島だけでなく瀬戸芸の作品は古い民家を利用したものが多いのですが、島によってあるいは建てられた時代によって、家のつくりが微妙に違っているのが興味深いです。男木島の民家は、若干廊下や階段が狭い気がしました。かつて人が住んでいた頃は、どんな風だったんだろうと想像が広がります。

ここで、男木島に滞在できる時間も残り半分を切りました。さあ、あともうちょっと!がんばれ、私のふくらはぎ!


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