カトリーヌあやこ「フィギュアおばかさん」

ソチオリンピック効果で、書店の目立つ場所にフィギュアスケートコーナーが幅を利かせている今日この頃。
ふと目に留まったのが、似顔絵マンガ家のカトリーヌあやこさんのこの本。

カトリーヌさんのことは前から知ってたけれど、サッカーだけでなくフィギュアスケートもお好きだとは知りませんでした。
でもまあ、キラキラヒラヒラした豪華な衣装を着て観客をひきつけるパフォーマンスをする、ってところはフィギュアの選手もアイドルも変わりませんものね。好きだというのも納得です。

発売された時期が時期なので、ソチに出場した選手（とくに日本人）についてページを割いてるのかなと思いつつ読んだら、中身の大半はジョニ子ことジョニー・ウィアーや、ロシアの皇帝プルシェンコ、謎のシマウマ衣装で一世を風靡した（？）ランビエールまど、海外の選手に費やされていました。巻頭に書きおろしでソチに出場した日本人選手および各国の有名選手の紹介ページもありましたが、このコーナーは選手によって似てる似てないの落差が激しすぎるので、正直最初の数ページを読んだ時点では

「これなら買わなくてもよかったかな…」

と、自分の選択をちょっぴり後悔していました。町田君の紹介ページは面白かったですが。巻頭の書きおろしの中で、そこだけ異様にテンションが高かったから。さすがまっちー！

でも、書きおろし以降の雑誌掲載分を読み進めると、海外のトップ選手を詳しく紹介してくれたり、懐かしのヤグディンVSプルシェンコの対決について書かれていたりと、最近量産されているフィギュアスケート絡みのテレビ番組よりもよっぽど内容が充実していました。うんうん。オリンピック前のテレビなんて、浅田真央VSキムヨナばっかりで、フィギュアスケートの面白さを伝えようとしてくれなかったもんねー。

読んでて「いいな」と思ったのは、シングルの選手だけでなく、ペアやアイスダンスについても詳しく紹介してくれたこと。地上波の番組だと、ほとんど放送されることがないけど、見ると面白いんですよね。各選手の似顔絵にも、こころなしか他のページより気合が入っているように見えました。

しかし、ペアよりアイスダンスより何よりカトリーヌさんが情熱を注いでいる（ようにしか見えない）のが、われらがジョニ子について。私も、ジョニーがNHK杯に初出場＆初優勝したときからのファンなので、カトリーヌさんのジョニ子への熱い思いには、共感出来る部分が多かったです。逆に言うと、共感できなそうな人にはこの本はアウトですが…。

プルシェンコについても、彼のスケートのすごさ、エキシビションで見せてくれるエンターテイナーとしての魅力などいろいろ語ってくれています。でも書かれているのが五輪の前なので、ソチで個人戦を棄権し、その後大きな手術をしたことを知る今読むと、タイムラグを感じてなんとも切ない気持ちになりました。果たして皇帝はこのまま引退するのか。それとも…？

巻末のあとがきマンガには、今回の五輪には出場しなかった織田君や小塚君、安藤美姫などの選手の似顔絵もちょこっと出てきたのですが、そちらの似顔絵のほうが五輪出場選手よりも似て見えたのがちょっと不思議なような、大人の事情と納得できるような。まあ、似顔絵ってあんまり似せ過ぎると、かわいくもかっこよくもなくなっちゃいますから。

「やっぱり！」と思ったのが、カトリーヌさんも某フジテレビのアナウンサーのポエムが苦手だと書いてあったこと。うんうん、そりゃそうだよねぇ。今月末の世界選手権もあのアナウンサーが実況するのかねぇ。嫌だねぇ。というか、フィギュアスケートのファンには、いろんな人がいるけれど、この点だけはみんな意見が一致すると思うんだ。

塩ポエムマジいらねぇ

って。

GPシリーズ欠場して世界選手権しか出なかった某選手の印象が当社比であまりよくないのは、塩のポエムのせいもあるんじゃないかと思うんだ…あの実況付きの演技しか見てないから、ポエムのせいで演技に対する評価が下がるんだよ。うん。

まあ、いろいろ不安材料はありますが、真央ちゃんにとって最後の世界選手権になるかもしれないので、そこだけは楽しみにしています。あとは羽生君の4回転サルコウが成功するか、町田君の火の鳥が宇宙へはばたくか、そこが気になります。小塚君も頑張れ―！！