Flour of Life

煩悩のおもむくままな日々を、だらだらと綴っております。

東村アキコ「海月姫」第12巻

2013-07-28 00:01:09 | 読書感想文(コミック)


表紙カバー外したらとんでもないことになってて超噴いた。まやや様の魂の叫び…。

今日、スーパーに買い物に来たついでに本屋にぶらっと入ったら、「海月姫」の12巻が発売されていたので買いました。小川彌生の「銀盤騎士」の2巻も出てたけど、こちらは保留。フィギュアスケートのテクニカルな部分が詳しく描かれていて面白いんだけど、滑ってるシーンが少ないので物足りないのよねぇ。今年はオリンピックシーズンだから、気にはなるのですが。

で、「海月姫」12巻の感想。
初めて展示会に参加したものの、1着も売れず激しく落ち込む尼~ずの面々。
売れないのは月海たちjellyfishだけでなく、他のブランドもさっぱりだとか。アパレル業界の実情でしょうか。
確かに、この前夏のバーゲンで大阪のデパートに行ったけど、どこのブランドもいまいち盛り上がってなかったからなぁ。
若い人はみなさんファストファッションの店で揃えちゃうんでしょうかね。

しかし、服は売れなくてもひとつだけ売れたものがありました。それは月海。
月海の才能に目をつけたMr.フィッシュが、月海を自分の会社のデザイナーとして迎えたいと、蔵之介に打診してきたわけです。
それを聞いてものすごく動揺する蔵之介…いやあ、めっちゃ少女マンガです。
好きな人(月海)は自分の兄(シュウシュウ)と相思相愛、それだけでもつらいのにその上好きな人(月海)は才能を見出されて遠くへ行ってしまうかもしれない、なんて。いや蔵之介マジでヒロインやん。

12巻では、千絵子抄が隠した天水館の権利書が母・千代子に見つかってしまい、とうとう天水館が地上げられてしまいそうになりましたが、直前にMr.フィッシュが天水館を買い取ったので、尼~ずたちの安息の場所は無事に守られました。でもその代わり、月海はMr.フィッシュのところに行くことに。仲間のために、蔵之介のために、自分ができることは何かと迷った挙句…うう、切ない。月海がこんなに困ってる時にシュウシュウってば何やってるんだこのヤロー!電話にも出ねぇでよー!!

そのシュウシュウは、月海が日本でオタオタ(オタクゆえに)している頃、イタリアへ婚約指輪を買いに行ってましたよ、っと。
シュウシュウのイタリアパートは、蔵之介のお母さんのリナさんが、今どうしているのかとか、なぜ蔵之介を鯉淵家に渡してしまったのかとかがわかる重要な場面ではありますが、浮かれっぱなしのシュウシュウを見てると「日本で月海が大ピンチ!になってるときに何やっとんじゃおんどりゃー!」と突っ込みたくなりました。

がしかし、私のような読者よりももっとシュウシュウに突っ込みを入れたいであろう人がいました。そう、私のようなアラフォーが尼~ずの面々以上にシンパシーを感じる、稲荷さんです。シュウシュウってば、稲荷さんのこと1ミリも思い出さずに、完全に放置してるじゃありませんか。ひどいわひどいわ。
で、そんな稲荷さんは12巻では最後のエピソードしか出番がありませんでしたが、そのせいか異常にテンションが高くて面白かったです(後で確認したらその前にも出番ありました。2ページだけだけど)。30万で尼~ずを買収するときのバブリーな感じは、懐かしの昭和が全開でした。

さて、月海がMr.フィッシュにお買い上げされたことで天水館は地上げを免れましたが、月海がいなくなった後の尼~ずはどうなるんでしょうね。月海がいなかったらクラゲドレスも作れないだろうし。というかjellyfishが解散しちゃうと、尼~ずの出番がなくなってしまう!そんなの「海月姫」じゃない!尼~ずのノリノリの小芝居が見られなくなったらガッカリです。東村さんはこの先どう話を転がしていくんでしょう?

12巻はMr.フィッシュに話をかき回された分、ギャグが小粒な感じでしたが、個人的にジジ様の作ったDMはツボにはまりました。
ファッションブランドの展示会のDMに水谷豊って。マダムたちには右京さんよりカイト君みたいなピチピチのヤングのほうがよかったんではないの?

週刊モーニングでの新連載とか多数連載を抱えているせいか、12巻はいつも以上に絵が荒れて見えました。
私は東村さんの描く女の子やイケメンが好きなので、できればもうちょっと雑じゃない絵で読みたいです。居眠りこいてるアシスタントを叩き起こしてでも、ね。

追記:鯉淵パパがシュウシュウに託したCD-Rの写真、最初は無表情だったのが次第に笑顔を見せるようになった蔵之介の変化がちと切なかったです。それにしても蔵之介がまだ小さかった頃から、既にデジカメが存在していたということがショックであります…うん、15年前くらいなら超余裕だよね、当たり前だよね。。。


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