Flour of Life

煩悩のおもむくままな日々を、だらだらと綴っております。

東村アキコ「海月姫」第13巻

2013-12-20 23:50:31 | 読書感想文(コミック)



天水館を守るために、人質としてえり足社長(=カイ)に拉致された月海。
蔵之介は月海奪還を図るも、尼~ずは燃え尽きて役に立たないわ兄貴のシュウシュウはベネチアまで指輪を探す旅に出てるわで、頼りになるのは花森さんのみ、の孤軍奮闘状態。クラゲの指輪を携えて、ようやく戻ってきたシュウシュウに月海の尾行をたくすものの、あえなく失敗に終わる。このまま月海はシンガポールに行ってしまうのか?シュウシュウがチョイスしたクラゲの指輪は、月海をカイから奪還できるのか?
一方、蔵之介たちが奔走しているのを知らず、月海はカイの指示でシャレオツな人々の集うサロンに招かれ…。


とまあ、13巻の内容を雑にまとめてみましたが、振り返ってみると13巻は尼~ずの皆さんの出番が少なくて、なんか普通の「ファッションを題材にした少女漫画」みたいになってました。いやいや、花森さんは頑張ってくれてたんだけど。花森さんと花森さんのそろばん塾仲間のすぎもっちゃんが、こんなに活躍してくれるとは…初登場時には夢にも思いませんでしたよ。このまま、この2人でスピンオフを単行本1冊分くらい作ってほしいくらいです。買う人超少なそうだけど。

13巻は拉致された月海を追う蔵之介サイドと、カイ社長のブランド「AVIDY」「avidy」でシンデレラになるべく魔法をかけられている月海サイドの2極がメインでした。最後のほうで、カイ社長の過去話が始まったので、14巻はこれがメインになるんでしょうね。なのでここからしばらくは展開が停滞してギャグも少なめになってしまいそうですが、そろそろストーリーが佳境に入りそうな感じなのでぐっとこらえることにします。あんまり長引きそうなら考えるけど。

カイ社長のサロン「CUBE」の描写は、正直イタイというかいまいちというか、おそらく作者が狙っているほどシャレオツには見えませんでした。絵柄のせいもあるかもしれません。サロンに集まった人たちに見られながら、ガラス張りの部屋に寝泊まりする月海の図は笑えました。でも自分だったらあんな部屋絶対にいーやー。カイ社長はどういうセンスなんでしょうねぇ。

蔵之介のリサーチによると、「AVIDY」および「avidy」は、ショップのスタッフの対応もよくて売ってるモノもよくて、かなりいいブランドのようです。モデルになるブランドはあるんでしょうかね。大抵の場合、安ければモノが悪くて、良いモノを買おうとすれば値段は高くなるものですが。でも、「何着も試着しといて何も買わなくても、嫌な顔ひとつしない」っていうのは普通かも。不満があっても口にするのは客が帰ってからでしょうから。しかし、蔵之介の女装がいつも完璧で皆だまされる、ってのはいまだに納得できない…普通わかるでしょ?写真ならともかく、実物を目の前にしたら、結構違和感あるはず。「わかってるけどあえて突っ込まない」のならともかく。(実際、女性向けブランドのショップのスタッフさんは、女装した男性が来店した場合どう対処してるんだろう…)

月海が拉致されたことで尼~ずたちの動きが止まってしまったのが残念です。14巻では何かアクションを起こしてくれるんでしょうか。今の流れだと無理かなぁ。


今回のあとがき漫画は東村さんの再婚話でした。先生、おめでとうございます。家族3人お幸せに。
しかし、先生の独身のお友達の7年後の東京オリンピックの頃も自分は今と同じように一人で暮らし一人で観戦しているのかもという恐ろしい妄想は、まったくもって全然笑えません。むしろ13巻で一番泣ける場面でした。

東京オリンピックかぁ…ミソついたしこの際だからもうやめちゃえば?そしたら7年後の自分のことなんて想像しなくてすむしぃ。


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