Flour of Life

煩悩のおもむくままな日々を、だらだらと綴っております。

東村アキコ「海月姫」第15巻

2015-01-18 00:16:27 | 読書感想文(コミック)



「海月姫」15巻を読みました。表紙のイラストは映画のポスターと似てますね。映画のほうは、私の最寄りの映画館(つっても海を隔ててるけどな!)で上映がなかったので未だに見ていません。たぶん、次に能年ちゃんがドラマか映画に出るときに、地上波で放送されるのを見るんじゃないかという気がします…ハセヒロのシュウシュウ、見たかった…。

15巻の内容は、月海を追いかけてシンガポールまでやってきた蔵之介が、女性モデルに扮してAVIDYのビルに潜入し、自慢の顔とトークで敵のガードを乗り越えて月海を救出する、というものでした。途中、花森さんがニーシャからもらった軍資金をあっという間にすってしまい、その割には全然悪びれないクズな一面を見せてくれたのが微笑ましかったです。微笑ましいけど絶対友達、というか半径30メートル以内にいてほしくないタイプです。

でも、蔵之介は月海を取り戻す!と息巻いてますが、当の月海がどうしたいのかは、読んでてよくわからないんですよね。
最初は、天水館を地上げ屋から守るために犠牲になったんでしょうけど、東京のAVIDYでほかのデザイナーに出会って、シンガポールでそれまで知らなかったカイの一面を見て、AVIDYというブランドのことを少しは知って、月海の中でも何かが変わったんじゃないのかな、って期待してるんですけどね。
そういった、月海の内面の変化とか、それ以前に月海が何を思い考えているのかがあまり描かれてないのが物足りませんでした。主人公なのに。周りの人の動きが激しい分、主人公の月海がとても受け身に見えました。そろそろまた月海に覚醒してほしいな~。

周りの人の動きというと、15巻では意外な人が動き出しました。枯れ専のジジ様です。目白先生の過去の作品が復刊したことで、天水館のみんなに臨時収入が入り、そのお金をどう使うか、ジジ様が考えたのは…「自分たちが作ったクラゲドレスをどこで売ればいいのかわからないから、80万を元手に一度自分たちでちゃんとした服を買ってみよう」という案でした。うーん、確かにデパートでも路面店でも、服を売ってる場所って独特の空気があるから、それを学ぶのもいいかもしれません。似合ってない服を「お似合いですよー」って褒めちぎる店員とか、個性の強い服を「ちょっとしたパーティにいいですよ」って薦める店員とか、それどうよって思う店も多いですけどね。そもそも「ちょっとしたパーティ」ってものに、私はいまだにお目にかかれてないぞよ…結婚式とか結婚式の二次会とか、ドレスコードが結構厳しいから、「ちょっとしたパーティ」に入らないしね。婚活パーティなんて自分の個性よりも相手にどう見られるかが重要だから、なおのことじゃないでしょうか。

…なんか話が変な方向にいっちゃいましたが、ジジ様のアイデアが上手くいくといいな~と思います。でもお店に行くときは髪型とかメイクとか、身だしなみもそれなりにしとかないと、試着しても似合ってるかどうかわかりにくいぞ!

15巻に収録されている本編は実は3話分だけで、残りは天水館が「尼~ず」の巣窟になるまでのエピソード・ゼロの話と、ジジ様メインの外伝、それから書下ろしの後書きマンガでした。エピソード・ゼロではまややの意外な、じゃなくて「やっぱりそうだったのか!」な秘密が明らかになってちょっとすっきりしましたが、ウイング関先生が従姉なら、関先生がメジャーデビューしたことをまややがどう思ってるのか気になりますね。娘がニート(理由はよくわからないけど)でまややの両親は心配&苦労したことでしょうが、天水館の皆で鍋をつついている時、まややが「こんなに楽しい食事は何年ぶりだろう」泣き出したのにはほろっときました。まややが週に一度の鍋にこだわるのもそういうことなのかと。目白先生の原稿手伝ってたから、別に労働が嫌、ってわけじゃないだろうし。

15巻はあまり話が進みませんでしたが、16巻はなるべく本編多めで話をさくさく進めてほしいです。特にシュウシュウ!もっと出番を増やして!!今回はひとコマも出てこなくて蔵之介の独擅場だったじゃん!メガネ男子プリーズ!!まあ、これだけ蔵之介が頑張った後で、次回シュウシュウが登場したときに月海があっさり走って行ったりしたら、それはそれで面白いけどね…くくく。



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