宮城県の小さく綺麗で穏やかな海辺に住む、はげたま(禿頭)おっさんの~ごまめの歯軋り~

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★お役人、東北電力への天下り=庶民を尻目に老後も安泰?

2010年03月10日 22時54分46秒 | 女川原発 & 関連
【写真=宇宙から見る女川原発~Google Earthより】

かみさんのホームページ 『うみねこが舞う、漁業と原発の町の議員活動』 
それは3月7日に、密かに始まっていた。
 3月7日の日曜日の午後5時から、宮城県知事・女川町長・石巻市長の3者による協議が、非公開で始まった。
 おらは、3月と云う時期の性格上(3月定例議会がある)、日曜日に首長同士が重大な協議を持つのも有りかな、と些か奇異な感じを持ちながら、テレビのニュースを待っていた。

【写真:Kolnet 記者会見=左から亀山石巻市長・村井宮城県知事・安住女川町長】

 ニュースが始まったが、衆目の一致するところは同じで、誰しも結論は知っていた。
ニュースでは協議に入る3者の映像が放映され、記者会見の模様が流された。
村井県知事が代表して、声明を読みあげる。
 驚くに当たらない、予想された結論だった。
「東北電力が女川原発3号機に計画しているプルサーマル導入に地元自治体代表3者は同意する」。
そうじゃろ、そうじゃろ、当然そうじゃろ。

 したが、3者協議にかかった時間は、たったの45分じゃったそうじゃ。
重大な協議の割りにはあっけない時間の掛けように思ったが、それも当然で、協議をする前から結論は出ていたのじゃから。
喩えは嵌っていないじゃろが、「大相撲の大一番はあっけない」の言葉が、おらの心の中に脈絡もなく浮かんで来た。

 その中で県知事は焦点の、プルサーマル導入計画に対する地域住民の理解について、
「対話フォーラムや住民説明会等情報提供に務めた」、
「パブリックコメントでは検討会議で取り上げた論点の枠を越えた指摘はなかった」、
「石巻、女川両議会で大方の賛同を得られ、十分に理解が深まった」、
等、多少上気した表情で淡々と話した。

 おらはヒマ人じゃから、その最初のニュースから深夜まで、各民放も含めたテレビニュースのウォッチャーになり、それで飽き足らず、インターネットのGoogleアラートで続々とメール送信されて来る通信社や大手新聞社の記事を目にしていたが、何、どこも同じような記事であったのは云うまでもない。

タレコミと云うなかれ。それは内部告発から始まった。
 3月8日、月曜日の夕方のテレビニュースが、面白いニュースを流し始めた。
宮城県議会予算特別委員会で、日本共産党の遠藤いく子議員が、前日の知事・女川町長・石巻市長の3者による、プルサーマル導入計画同意の撤回を求めた質問が、マスコミも注目する大きなニュースになった。

【写真:net県議会中継 予算特別委員会=質問する遠藤いく子・日本共産党県議会議員】

 遠藤いく子議員は原子力行政にかかわった複数の元県職員が東北電力に再就職したことを指摘して、
「幹部職員が天下る癒着とも思われる中では公正な判断ができない。プルサーマル受け入れ判断を撤回し再考すべきだ」とただし、
「天下りは今も続いており、県の原子力政策にとって問題がある」と、県執行部に疑問を呈し追求したのじゃ。

 これらの幹部職員は7名に上り、遠藤いく子議員は実名を上げて事実を確認し追求した。
例えば、在職中に県の原子力安全対策室長を務めた宮崎氏は、県環境生活部技監兼次長で退官して、東北電力では火力原子力本部立地環境部調査役に就任した。
 役人時代に原子力センター所長を務めた森氏は、やはり県環境生活部次長で退官して、東北電力では宮崎氏と同じく火力原子力本部立地環境部調査役に就任した。
 他の人たちもほぼ同じコースを辿り、県職員時代は原子力行政の要職にあったが、東北電力では電源立地推進本部立地環境部調査役に就任した人もいた、などである。
いずれも県職員時代に培った経験・知識・人脈が、活かされる役職に就任したものと思われるのぉ。

 しかもその手口は巧妙であり、「さすがはお役人、頭が切れる」と、おらは感心しきりである。
そもそも宮城県には退官後の再就職について、利害関係のある企業へは2年間禁止するルールがあるが、それをスルーするやり方が採られていたのじゃが、こうだ。
 彼等は退官後いったん県の外郭団体に天下り、2年後に東北電力へ再就職するという、特別な関心があり長年追跡していなければ、県民が容易に気付かないルールの抜け穴を利用した方法である。
おらはこれに”迂回型ダミートンネル方式再就職”と名付け、進呈したいがどうじゃろのぉ。
 
 そして彼等は、この記事のタイトルに書いた通りの『庶民を尻目に老後も安泰』となるのじゃが、それどころでなく、有り余るお金をあの世とやらまで持って行って、三途の川を渡る時は屋形船だし、閻魔さまへの手土産も弾めるってぇ寸法で、天国へ昇って行くのじゃよ、とおらは想っちょる。
 その原資は、まず手始めに、県を退官して退職金を受け取り(これには文句はありまへん)、県の外郭団体に天下って2年で辞めて退職金、次に東北電力に再々就職して厚遇され、またまた退職金を手にするのじゃから、今日を生きるのに一生懸命な庶民なんかは目に入らん。
 従って、『プルサーマル導入』に疑問・不安・反対の心を持った住民・庶民の意見など、歯牙にもかけない働きをして何の痛痒も感じないのである、とおらは想っているが、当たらずとも遠からずであろう。

 話しを戻す。
柏佑整委員長が予算案と関係のない質問として制止すると、遠藤いく子議員は「議題として協議させてほしい」と発言した。
 村井知事は「予算案と一部職員が東北電力に再就職したことの、どこに相関関係があるのか」と色をなして(と、おらには見えた)反問権を使って逆質問したのじゃ。

【写真:net県議会中継 予算特別委員会=左、委員長・右、県知事】

  この遠藤いく子議員の質問はテレビのニュースで、映像と音声が比較的長く放映されたから、視聴した方も多いだろう。
 ただnet県議会中継では遠藤議員は真正面からの映像だが、テレビでは後ろ姿だったのが残念ではあるが。

 なお、遠藤いく子県議会議員の質問の基になったのは、共産党県委員会に7日、東北電力関係者と名乗る人物から情報提供があったからだという。
不正・腐敗追及が出来るのは、日本共産党だけ、との信頼が情報提供者にあったのだろうし、またその通りなのは、世の認めるところである。


広がる波紋
 このニュースは今日(10日)も引き続き報道され、新たな情報も出て来た。
テレビニュースでは、宮城県選出の政権与党・民主党の安住淳衆議院議員や、自民党の小野寺五典衆議院議員がコメントを求められ、いずれも「好ましい事ではない」と話さざるを得なかったぞい。

【左・安住淳衆議院議員(民主党)、右・小野寺五典衆議院議員(自民党)=いずれも御自身のHPより】


 さらに全国の原発立地12の道と県では、同様の天下りはないとも報道されたから、宮城県と東北電力の癒着は特別なものなのだろう。
指弾されて当然と言わざるを得ない。
 何故ならプルサーマル計画が”国策”の名の元に、半ば強引に進められているからである。
そこでの官が信頼されなければ、住民同意を得たという首長さん達の判断根拠も、甚だ怪しいものとなるからである。

 再び何故ならであるが、パブリックコメントを先に見る(読む)のは誰なのだろうか?
首長さんか?お役人か?
そこでご都合主義の恣意的操作がないと言い切れるのか?とまで疑われる余地ができるのである。

 官僚の天下りとは、何も霞が関の官僚の場合だけを指すものではないのは、言わずもがなであるが、地方自治体(宮城県)の幹部職員も、長年に渡り前例通りにやっていた様であるから、根は相当深く、早くも東北電力のプルサーマル計画に、暗雲が漂って来た、と指摘しておこう。

関連!志位和夫日本共産党委員長の福島県郡山市での記者会見

【写真=志位和夫日本共産党中央委員会委員長】


 宮城県知事・女川町長・石巻市長が、東北電力のプルサーマル導入計画を受け入れる事に同意した7日に、日本共産党の志位和夫委員長は、福島県郡山市で記者会見したのだ。
 東京電力が福島県で進めているプルサーマル計画について記者に問われ、「一般の核燃料による原子力発電でさえ技術が確立されておらず危険なのに、プルサーマル計画を進める事は無謀かつ危険であり中止すべきだ」と答えた。

 福島県では2月16日に佐藤雄平知事(元民主党参議員)が、条件付きで受け入れを表明した。
2002年(平成14年)の原発トラブル隠し発覚で地元の事前了解が撤回されていて、今回、事実上の地元了解を得たことで、危険な計画が動き出す事になったのじゃ。

 志位氏は「プルサーマル計画というのは、プルトニウムを繰り返し利用する計画が、高速増殖炉『もんじゅ』の大事故で破たんしたために、余ったプルトニウムをMOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料として処理して燃やす計画だが、大変危険なものだ」と指摘した。

【写真=高速増殖炉(原型炉)もんじゅ全景】

 またプルサーマル計画を進めようとしている新潟県柏崎・刈羽原発を視察した経験を踏まえ、「MOX燃料は融点が低く、メルトダウン(炉心溶融)の事故などにつながる危険が高くなる。またプルサーマルでは制御棒の効きが悪くなるなどの問題もある」と、その危険性も云っていた。
 更に「プルトニウム循環利用も、プルサーマル計画も中止すべきだ。全国どこであれ危険なプルサーマル計画には反対だ」とも表明したのだ。

 おらたち女川町では、やっぱり住民の監視が、ますます重要になって来たと思う。
また東北電力のプルサーマル計画だが、海外(たぶんフランス)に製造依頼するMOX燃料が予定通り出来ない事も考えられる事態が進行中で、計画が予定通りの2015年とは行かない可能性も出て来た。
それはまた別の稿で、じゃ。
本日は、これにてお終い。

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