今日の仙台、午後2時頃まで晴れでその後薄曇りになりました。今日も夏日。最高気温ほぼ27℃。湿度は昨日より低く感じました。洗濯日和。
「ロバートキャンベル新館長トークセッション(対話集会)を聞く」を続けます。
(株)コミューナ翻訳者・編集者・国際プロジェクトコーディネーターで仙台市在住の王友安(わんよーあん)氏は、「仙台はどういうところですか」というキャンベルさんの質問に、観光情報が伝える内容でなく、個人的な立場から、仙台の町の魅力を語った。
王氏曰く、個人的には広瀬川が好きだと。上流から下流まで変化に富んだ魅力的な川が仙台市の中を流れている。上流には森林と清流と温泉がある。中流が仙台市の都心部の近くを流れている(ちなみに王さんの住まいは御霊屋橋の近くにあるという)。場所によって、季節によって見せる広瀬川の表情がたいへん魅力的に映る、と王さんはいう。王氏は上流と中流から汲んできた水をいれたペットボトルを持参し、水の透明度や匂いを比較してみせた。上流にある作並温泉の露天風呂のすばらしさにも触れた。作並温泉はなぜ秋保温泉にくらべて存在感が弱いのか、すばらしい観光資源があるのにもったいない、と付け加えました。賛成ですな。
おずんつぁんは澱橋から牛越橋の間にある河川敷公園を川の流れをみながら時々歩く。散歩しながら見える広瀬川の見晴らしはたしかに美しいのだが、王氏が言うほど特段に魅力的な景色だとは感じていなかった。私にとっては見慣れた景色の一部にすぎない。だから、王氏が仙台の魅力として広瀬川とその光景をあげたとき、はっとした。「水平線のうた」に出演した菅原大吉のセリフではないが、なぬすや?(なんだって?)、と心の中で叫んだ。
地元の人間は気付いていないが、台湾出身の人だからこそ見えてくる広瀬川の魅力というものがあるのだと思う。内外から来る観光客だけでなく、仙台市民に広瀬川の魅力をもっとアピールすべきだ。ただアピールするのでなく、広瀬川の魅力を体感できるプロジェクトを官民あげてたちあげたらいかかがなものだろうか。宮城県のインバウンド向け観光情報発信サイトVisit Miyagiの編集長を務めている王氏には、仙台のために大いに貢献してほしいですな。王氏に感謝の一句。
友安さん仙台つうをはっとさせ みちのく愚禿庵
仙台市を拠点にして森林保護や木材活用に関連する仕事をしているクループ「建築ダウナーズ」から出席した菊池、千葉、吉川の3氏は東北大学大学院都市建築学専攻の同期生。せんだいメデイアテークの1階エントランスに設置してあるポスターの掲示用什器をつくるなど、展示、会場設計、木材をめぐるリサーチプロジェクトの分野で活躍している。
会場に丸森町産の杉でつくった椅子を持参し、デザインのユニーク性と多様な用途について紹介した。キャンベル氏はこの椅子に興味を示し、いろんな用途の可能性についてメンバーと語り合った。森林保護と木材の活用のために彼らの力を発揮できる可能性が広がっていると思った。若い建築家集団のこれからの活躍に期待したい。
キャンベル氏は今日の集会から、仙台を知らない自分のために、普通の観光情報が伝えない仙台の魅力について仙台つうに語ってもらいたかったと述べていた。多面的な顔をもっている仙台を知るには、多面的なアプローチが必要であることは認めますが、観光情報も基本的知識を得るのに役立つと思います。キャンベルさん、まずは仙台城址から仙台の街と街の外縁に広がる自然の風景を自分の目でじっくり眺めてみてはどうでしょうか。仙台の街のイメージが膨らむはずです。城址から城壁をみながら博物館までゆっくり歩く。巨大な石垣を見上げながら坂道を下れば別のイメージも膨らんでくるはずです。博物館に入り古代から伊達藩までの史料の展示をみましょう。仙台についてさらに深いイメージが膨らむはずです。観光情報もまた仙台を知るための多面的なアプローチの一つです。
王氏の言葉が印象的でした。東北、宮城、仙台の人々は奥ゆかしいが、情報発信が苦手である。東北、宮城、仙台には地元民が気付いていない魅力がたくさん眠っている。眠っている魅力を魅力ある方法でどんどん世界に発信してはどうでしょうか。もっともっと地域のよさを主張してはどうでしょうか。王さんの意見にまったく賛成です。
キャンベル館長は、世界に向けて仙台の情報を発信するために、今後どのような企画を考えるのでしょうか、たいへん興味があります。次回のイベントを楽しみにしています。
キャンベル氏と王氏。テーブルに広瀬川からくみ取った水が入っているペットボトルが置いてある。
