オーガニックシアターの脚本・演出家でもある、ナガノユキノさんの思いのあれこれを綴っていただきます。
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演劇はプロセスを描く。結果はどうでもいいのだ。
だから悪人は悪人にならなければならなかった、成らざるをえなかった経緯をえがく。
そして、観客に感情移入をしてもらいたいと考える。
俳優が良いと「わかる!私だってこうなるかも」と、感じていただける。
物語の力と俳優の力が合わさると悪人に涙することが出る。
だからけっして悪人を悪人らしく演じてはならない。
善人も同じ。
なぜこの人がこんなにきれいな心を保つことができるのか、俳優は創造力を駆使して役に迫ってゆく。
演出のわたしは、善人を偉人を、人間臭くえがくようにしています。
人間的郷愁のない立派な人は特別な人として、観客は私には関係ないと感じてしまうので、寝てしまうからです。
甲府の皆さんとご一緒して、改めて確認したり、深まったことがたくさんありましたが、
何よりも、演劇の存在意味を、確信できたことが、うれしいことでした。
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