羅漢寺橋

遍く布教す
大分県中津市【山国川】



羅漢寺橋　石アーチ橋　1920年
橋長：89ｍ

一切の煩悩を断ち切ることができるまで
山に籠り修行を積んだ阿羅漢。
その徳は山を降り世間に広がる。
この橋を通り。

薄い円弧のアーチから広がる光は
穏やかで、星を包んで。

鉄橋が架かる大正時代に敢えて選ばれた
扁平石アーチ。
ここから平穏な日が広がるように。

官人橋

大切な橋
佐賀県佐賀市【嘉瀬川】



官人橋　曲弦ワーレントラス橋　1953年
橋長：66ｍ

官人橋という名前。
橋の名前としてはどこか不思議。
でもこの名を呼ぶ人の橋を大切に思う気持ちが込められている。

官の人が整備してくれる橋，
官の人が通る無くてはならない橋，
官の人からお墨付きをもらった橋。

細いトラスの赤い姿が川面に映る。
桜の季節，夏の景色，紅葉の頃，雪化粧，
どれも美しいだろう。
お墨付きをもらわずとも誇れる橋だ。

東名富士川橋

赤い橋
静岡県富士市　【富士川】



東名富士川橋　ボックスガーター橋　1956年
橋長：780ｍ

画面いっぱいに広がる裾野に吸い込まれる赤い筋，
どこまで続いていくか。
それは無限の宇宙を旅する銀河鉄道のようで。

急流の幅広い河原に生える丸い脚，
何の花の芽吹きか。
それはいのちのリレーをあらわす季節の流れのようで。

赤い橋がある景色は
ゆっくりゆっくり移ろう。

錦帯橋

橋を愛する人々
山口県岩国市　【錦川】



錦帯橋　木アーチ橋　1673年
橋長：193.3m

300年以上同じ姿を保つ。
何度も修理を受けながら，
何度も架け替え工事を受けながら，
それでも同じ姿を保つ。

それはこの橋をみなが愛しているから。
木を組み上げたアーチが美しいから。
急流の中の石垣が美しいから。

橋の架け替えのために林を育てて，
山，そして川も育てる。
愛する人々の心の中に橋が架かり，
橋を支えている。