ブリッジ コンツェルン

いい橋がたくさんあります

第三五ヶ瀬川橋梁

2018年07月16日 | 感傷にひたる
その日が来るまで
宮崎県日之影町 【五ヶ瀬川】



第三五ヶ瀬川橋梁 鋼ワーレントラス橋+コンクリートラーメン橋 1939年
橋長:274.8m

深い緑の水面に映り込んだ
役目を終えた橋
自分の姿を見続けるのみの日々

コンクリートと鋼鉄はどちらが先に
朽ちてゆくのか
美しい曲線と逞しい骨格が
いつの日か失われる不安
不安があるから今日が輝く

その日が来るまでここに居続ける






六角橋

2017年10月22日 | 感傷にひたる
干潟をゆく
佐賀県白石町 江北町 【六角川】



六角橋
ワーレントラス橋 1930年
橋長:142.9m

平らな景色が広がる有明海沿い
その中にも人の営みは濃い
水田の中に浮かぶ町
道路は町と町をつなぐ木道のように

町のはずれには橋がかかる
橋の向こうも景色は変わらないかも知れないけれども
新しい町
振り返ると繊細なトラスが見送っている






大浪橋

2016年04月13日 | 感傷にひたる
波が洗う
大阪府大阪市 【木津川】



大浪橋 鋼ブレースドリブタイドアーチ橋 1937年
橋長:81.5m

大きな波が押し寄せて,沖へとさらっていく。
何が残るだろうか。
この橋はきっと残っているだろうな。
あと,今のこの想いも残るだろう。

幅広のリブが頼もしい。
白い塗装は心強い。
この橋にしがみついてでも流されたくない。

この道を行く。
この橋を渡る。




淀屋橋

2016年03月07日 | 感傷にひたる
パリの思い出
大阪府大阪市 【土佐堀川】



淀屋橋 コンクリートアーチ橋 1935年
橋長:53.5m

ノートルダム大聖堂のあるシテ島から,
パリ市庁舎,そしてルーブル美術館へ。
あの頃の景色が甦る。

淀屋橋を渡って,日本銀行を左に見つつ,
大阪市役所,大阪市中央公会堂。
今日はこのコースを歩いた。

淀屋橋のアーチは緩やかだった。
高欄の意匠は細やかで,
コンクリートの色は柔らかだった。

パリもいいけれども,
東洋の島国も捨てたものじゃない。




中央大橋

2016年03月02日 | 感傷にひたる
パリの空
東京都中央区 【隅田川】



中央大橋 斜張橋 1993年
210.7m

セーヌ川沿いのカフェで読書をしていると,
風景画を描く人の姿を見つけた。
その画家は橋のある景色を描いているようだ。

キャンパスの中の橋をこの橋に置き換えてみた。
真っ白く輝く主塔と
直線に張られたケーブルは
パリの景色に似合わないなと,少し可笑しくなった。

気がつくと日が傾き始めていた。
太陽が高層ビルと主塔をオレンジ色に染めている。
その画家の描く空も少し赤みがかっていた。