ブリッジ コンツェルン

いい橋がたくさんあります

長崎本線嘉瀬川橋梁

2015年11月10日 | 元気を出す
浮かぶトラス
佐賀県佐賀市 小城市 【嘉瀬川】



長崎本線嘉瀬川橋梁 直弦プラットトラス+プレートガーター橋 1920年

橋のたもとで行われるバルーンフェスタの気球のように,
ぽっかり浮かぶ真ん中のトラス。
上からは何が見えている?

全部が見渡せる。そして,
近づく列車からは一番最初に見える,
近づく鳥からも一番最初に見える。

走ってくる列車の音が軽やかな音に変わった,
ふわり浮かび上がったかのように。




二之橋

2015年11月07日 | 今を見つめる
石とは
熊本県宇城市 【三角西港】



二之橋 石桁橋 1897年
橋長:4m

石とは何者だろうか。
「石の上にも三年」忍耐の表れ。
「石橋をたたいて渡る」安心の象徴。

町は栄枯盛衰を繰り返す。
人は立ち止まることを知らない。
石はただそれを見守るのみ。
冷たく無表情に。

しかし,高欄そして桁の石の意匠が何か暖かい。
それはいつも見守ってくれているから。

石とは,,悟り。




桜宮橋

2015年11月03日 | 今を見つめる
沈まぬ橋
大阪市北区 【大川】



桜宮橋 鋼アーチ橋 1930年
橋長:187.7m

その重さ2024トン,
鉛のような鈍い光を放つ。
ゆっくりゆっくり粘土地盤へと飲み込まれるだろう。
しかし,沈まない。
熱した鉛のような柔らかさで。

3つのヒンジを持つこの橋は,沈む事はない。
否,沈む事を許されない。
巨大な戦艦と同じように。

誰も手をかけることができないことを誇示するかのように,
重厚な姿で周囲を気圧す。
いつまでも銀色に輝き続ける。




菊池川橋梁

2015年11月01日 | 感傷にひたる
穏やかな余生
熊本県山鹿市 【木野川】



菊池川橋梁 プラットトラス橋 1890年
橋長:24m

やわらかな風に緑がざわめく,
草の香りが爽やかだ。
ゆっくりと深呼吸をしたくなる。

そこに横たわる茶色い体。
静かに目を閉じ,何を思うか。
列車を通していた頃,
激しい川の流れを受け止めていた頃,
今となっては懐かしい思い出。

時代遅れのピン結合プラットトラスも,
ここならもう少し役に立つことができそうだ。