行幸橋

熊本の春
熊本県熊本市【坪井川】



行幸橋　コンクリート桁橋
橋長：32ｍ

4月，坪井川沿いの桜が満開に，
緩やかな行幸坂を風が下ってくる。
橋の上でふと足を止める。
熊本のいつもの風景。

いつもの風景が一変した4月。
橋の上で立ち止まる人はいない。

橋はいつもそこにいる。
そしてまた春が来るのを待っている。

住之江橋

豊穣の海
佐賀県白石町　小城市【六角川】



住之江橋　ワーレントラス橋　1955年
橋長：350ｍ

平らな水面に並ぶ小さな船，
今日はもう明日の準備を終えている。
魚網に透ける西日の空。

トラスに透ける西日の空，
平らな水面に影を作る。
夕まずめの水面は魚影が濃い。

豊かな海が育む住み処，
住む人々が今日も橋を渡る。

厩橋

和をもって貴と為す
東京都台東区　墨田区　【隅田川】



厩橋　タイドアーチ橋　1929年
橋長：151m

厩戸皇子が作った十七条の憲法
その弟一条
和をなにより大切にしなさい。

和とは立場の違いはあるがいつでもお互いを尊重すること
橋はまさに和そのもの。
左岸と右岸を結びつける
人の往来を可能にする
そして道を作る。

緑の橋は貴き色合い
アーチの曲線は和み

戸河内橋

静かな町の日常
広島県安芸太田町　【大田川】



戸河内橋　ワーレントラス橋　2002年
橋長：64.7m

時々自動車が通る，
近所の犬が散歩していく，
今日も変わらぬ街の姿。

変わらぬ姿を支える橋。
この街には少し大きいけれど，
それが安心感。
ワーレントラスの三角形は，
積み木を組み上げたようなぬくもり。

向こうからやってきたのは，
学校帰りの子供たち。
いつもの日常が過ぎていく。

多々良架道橋

斜に構える
福岡県福岡市　【国道3号線】



多々良架道橋　ランガーアーチ橋　1953年
橋長：63.3m

いつでも身構えている
いつそんな状況にも対応できるように。
下を通る国道とは交通量が全く異なる。
貨物専用線だろうと変わらない
安心な交通を維持することが橋の使命。

でも時には国道をうらやましく思うときもあるかも知れない。
そんな時は少し皮肉っぽく言ってしまう
「桁下高4.3ｍ」と。