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ささらさや(幻冬舎文庫)加納朋子

2004年06月12日 | 読んでみました
「パパ」

ささらさや(幻冬舎文庫)加納朋子

事故死した夫が成仏出来ずに幽霊となって
奥さんと子どもを見守り続け、
不思議な事件を解決するために、少しだけ顔を出す。
そういう表現をすると、身も蓋もなくチープな物語なのですが
この物語の良さはそこではないのです。
ミステリという分類すら不要な気がします。

死してもなお愛する人を守る、というシチュエーションは
「ゴースト」を思い出させますが、ボクはむしろ「黄泉がえり」を
思い出してしまいました。なんででしょうね?切なさでしょうか?

天涯孤独で頼りなさげな未亡人「さや」と、
赤ん坊「ゆうぼう」を中心に「ささら」という土地で
物語は進んでいきます。

そしてその中で「ゆうぼう」の少しずつの成長と
「さや」の共に周りに支えられながら成長して行く様子が
短編のカタチで、一話ずつ語られていきます。

個性的な登場人物たちが、一人ずつそれぞれの事情を抱え
ちょっとした不思議なエピソードと共に「さや」の前に現れ
ご近所さんとして見守っていきます。
この物語は、さやの視線で語られているのですが、
多くの読者は、さやを見守る登場人物たちの視点で
さやを見つめているのではないでしょうか?

最初から最後まで、ほんわりとした幸せな気分と、
いつか来る終わりの予感とで、切ない気分も感じながら
一気に読み終わりました。
最後は電車の中で、泣きそうになっちゃいました。

加納さんの小説は「ななつのこ」を以前に購入していたのですが
積ん読のままでした。何を感じて購入したのかも忘れたのですが
その感覚は間違っていなかった、という気分と
今まで読まなくてスマンという気分で「魔法飛行」まで
追加で購入してしまいました。

あ、ちなみに「魔法飛行」の帯の
『(どうです、ちょっと興味を惹かれるでしょう?)』
というセリフは蛇足というか、脱力感を誘って
購入意欲を無くすのでやめて欲しかったです。
とにかく読もう。楽しみ楽しみ。

やさしい気分になりたい時に、ちょっぴり寂しい気分の時に
登場人物たちと一緒にさやを見守りつつ
さやと一緒にゆうぼうを見守りつつ
少しずつ成長する強さに癒されてみてください。
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みおぼえある?

2004年05月23日 | 読んでみました
「夕べは楽しかったわ」ってメールが来るとドッキリしますよね?
身に覚えは無いのに…

「必読SF3冊を選んでみよう」のコメントで
pon2さんから
なぜなら濫読でありつつ、1回読んで「あ~面白かった」と思ったとたん、
筋忘れちゃうんですよ。(TT)
何回でも同じ本読めます。(しかし読んでるうちに筋をおぼろげに思い出します)

というコメントを頂きました。

実はですね、ボクにも読書を楽しんでるのに読み終わったとたんに
話を思い出せないという時期がありまして、それは一日2冊ぐらいずつ
読んでた大学生の時なんですよ。(高校生までは金が無かった)
それ以前は読んだ本は全て(言い回しまで含めて)覚えていた
自身があるのに、ある時期から読んだんだか読んでないんだか
判らなくなってしまったのです。
気づいたときはかなりショックでした。

濫読がいけないんですよね。読むことが快感で考える部分に
注力されてないという…タバコを吸う「ふぅ~」っという感覚に
近いものだったんじゃないかと思います(タバコ嫌いですけど)
ストレスの緩和であって、考える楽しみではなかった気がします。

で、そう感じたので、自分の読み方を観察してみました。
そうすると1センテンスをパターンマッチングで読み飛ばしている
という事に気が付きました。つまり、一つの読点、一つの段落の
単語や書き出しで、ある程度の予測を付けて読み飛ばしているのです。
「俺、読むの早いな~」と思っていたのはカンチガイで、
読んでなかったんです。

最近は、意識してゆっくり読むことにしてます。
未だに反射で読み飛ばしちゃう事があるんですけど、
そういう時はページの頭なり段落の頭なりに戻って
もう一度味わいなおす事にしています。

なので、若かりし頃に読んだ(と思っていた)本を
もう一度読み直しているトコロです。

皆さんは「この本読んだっけ?」という経験はありませんか?
コメント (1)
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必読SF3冊を選んでみよう

2004年05月17日 | 読んでみました
一緒に悩んでください。

にゅきログにあるまじき、説明的タイトルですんません。
って誰に言っているんだか。

先日、友人と話をしていて
「図書館にSFを3冊置くとしたら何を薦める?」
という話になりました。

つまり、自分の好きなSFでも、コレは読んでおかなくては、
でもいいけど、その3冊を読んで「SFって面白い」
「次はコレを読もう」という気持ちにさせたいのです。

考えてみました。

作品的に読んで欲しい、と思えるのに限定して
軽く考えただけでもこの始末。

「ファウンデーションシリーズ」
SFがミステリーの一カテゴリだった時代を実感できます。
「ロボットシリーズ」
短編と長編で雰囲気が全然違うけど、基本だし
「歌う船シリーズ」
マキャフリさんの代表シリーズ
「竜騎士シリーズ」
マキャフリさんの代表シリーズ。むしろファンタジー?
「巨人シリーズ」
ホーガン先生のこのシリーズもミステリ色濃厚です。
「ニューロマンサー三部作」
サイバーカウボーイの原点
「アンドロイドは電機羊の夢を見るか」
ブレードランナーとは全然違う次元で面白い
「宇宙の戦士」
ご存知クモ型宇宙人との戦争。パワードスーツはぬえ謹製
「終り無き戦い」
長い長い戦いの行く末
「夏への扉」
ご都合主義はキライなんだけど、ホロリと来ちゃう
「銀色の恋人」
ロボットを愛するということ。
「たったひとつの冴えたやり方」
中篇3本なんですけどティプトリージュニアも推したい

作家的にはアシモフ、ホーガン、マキャフリは外したくない。
でもクラーク先生、ハインライン、ギブスン、ディックも外せない。

むぅ~ん。難しいなぁ。

アシモフ先生の「ファウンデーション」「われはロボット」
ホーガンさんの「星を継ぐもの」「創世記機械」
マキャフリさんの「歌う船」
あたりかなぁ…。でももう少し切り口をかえてみよう。

カテゴリ別で考えてみる
ミステリ系
「ファウンデーションシリーズ」「巨人シリーズ」
「ロボットシリーズ」
ロボット系
「ロボットシリーズ」「銀色の恋人」「聖者の行進」
「バーチャルガール」「歌う船シリーズ」「電気羊」
ファンタジー系
「歌う船シリーズ」「竜騎士シリーズ」「銀色の恋人」
戦争系
「宇宙の戦士」「終わりなき戦い」
カウボーイ系
「ニューロマンサーシリーズ」

って最初に挙げてないのも入りだしたし。収拾がつかん。

アシモフ先生の「ファウンデーション」は決まり。外さない。
間口を広く取るってコトで毛色を変えて、
マキャフリさんの「歌う船」も決まり。
ホーガン先生入れたいんだけどな~。
「星を継ぐもの」は「ファウンデーション」に拒絶反応示されると
共倒れの可能性高いしな~。「創世記機械」っていうのもアレだから
マトリックス的に「仮想空間計画」か?でも、ちょっとな~
あ、そうだハードボイルド系から「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」
ってどうだろう?

「ファウンデーション」アイザック・アシモフ
SFとは存在システムを存在するかのように書く技術を
指すのではないかと思わせる、巨匠の名著。
ミステリファンも素直に移行できるのでは?
「歌う船」アン・マキャフリ
冒険活劇という表現もあてはまるが、女性らしい
ロマンスも見逃せない一作。
スペオペ需要、ロボット需要、ロマンス需要、萌え需要と
幅広い層に指示される可能性を推しました。
っていうか萌えは無理か。
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」フィリップ・K・ディック
ご存知SF映画の金字塔「ブレードランナー」の原作
ハードボイルドに宗教的要素も絡んだ本作は、
映画とはちょっと違った面白さにハマるかも。
ネオトキオ、とかチバシティーとか、ソニー千葉とか
そういう単語に弱い人向け。映画ファン需要も見込んで。

観点は、いかに幅広い層から支持されて、かつ
本格的SFへの移行をスムーズにするか。
つまり、この人の別の作品も読んでみたいと
思わせる間口の広さをメインに考えてみました。
ってカンジ

あ~、選んだ後も、これで良かったのか?って
思い悩んでしまう~。悩ましい。

あなたの選んだ3冊を教えてください
コメント (27)
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すきなばしょ

2004年04月22日 | 読んでみました
落ち着ける場所が好き

奥様が横にいると落ち着くので
場所には関係無い気もしますが
S/N比っていうの?
他人雑音が高いとストレスなので、
あまり外に出るのは好きじゃないのです。

なので家にいるのが一番好き。

それでも家以外にもお気に入りの場所が
ちょっとはある。
結婚前にバイクで毎週のようにというか
気が向けば走っていった富津の先っぽとか
(週末はヤンキー様が多いのがタマにキズ)、
大学の頃に走っていた阿蘇とか、
ってバイクで走っていけるトコばっかりやん。

他には本屋とかゲーセンとか電気屋とか
そういうインドア派向け(違うだろ)の場所も好き。
落ち着ける場所じゃないけど好き。

で、この間、お気に入りスポットを
新規に開拓しました。

奥様が都内ホテルの激安プランで六本木ヒルズに
泊まりたいというので、何とはなしに行ってみた先で
見つけたんですが VILLAGE VANGRUARD っていう本屋さん。
半年くらい前だったか。

本屋と雑貨屋が同居するスタイルの本屋は
なんだかサブカル気取りみたいな雰囲気が嫌い。
といってもそこでしか買えない本とかもあるので
利用するのですが…

で、その VILLAGE VANGRUARD も俺のあまり好きではない
本屋と雑貨屋が同居するスタイルの本屋なのですが
セレクトショップっていうの?書籍の8割が
俺好みという恐ろしさ。店長は30代確定ですね。
え?何?俺のための本屋?俺の本棚?ってカンジ。
いやもうヤバいっす。

カルチャー系の映画、演劇、音楽の本に始まり
小説系では「というか、それ置きますか」という
ナイスというかカルトセレクト、
癒し系の書籍で疲れた心を癒され
エッセイの平積みはクドカンの山。
コミックはコレ今じゃここでしか買えないの?
みたいなナツカシ名作の数々
つっても岡崎京子とかヒゲのOLとか童夢とか
そんなんだけど。
そして奥まったところに何故か特撮棚。

わかった!全部買わせてくれ!
オヤジ!メニューの端から端まで2本ずつね
あと生チュー2つ、みたいなカンジで

というか落ち着ける場所じゃなくて、
興奮する場所だった。

本屋が大好きなんだけど、立ち読みが出来ないという
私でも背表紙を見て歩いているだけで、
2時間くらいたっちゃいました。

「映画欠席裁判」と「シー・ユー・ネクスト・サタデイ」
買って帰りました。ここでしか買えないわけじゃないけど。
帰ってから気付いたけど、どっちも著者が柳下毅一郎さんなのね。
ごっつおもろいです。この本を読んで、こういうのもアリかと思い
このブログが出来上がったようなものです。

セレクトショップバンザイ

か~え~り~た~く~な~い~ってカンジっす
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GO!ヒロミGO!の5巻

2004年04月07日 | 読んでみました
最近というかもう3ヶ月ほど奥様の帰りが遅い
炊事、洗濯、お風呂が終っても帰ってこない。
なので必然的に夜は暇。

X3に録りためたテレビ番組も、
二人じゃないと見れない番組が多すぎ。
なので必然的に夜は暇。

暇つぶしと脳みそを垂れ流す場を求めて始めた
ブログも毎日ハイテンションじゃ続かない事に気付き
夕べはちょっとメロウな気分だったので暇。

お気に入りの漫画家さんの麻生みこと先生の新作
GO!ヒロミGO!の5巻を購入したので読んでみる。
というかケダルイ気分で読み始める。夜だし、寝るし。

ぶふ~!わははははは!
先生カンベンしてください。眠れなくなっちゃう

ちなみにお話は、ヒロミ(女)、ヒデキ(男)、ゴロー(男)の繰り広げる
ロマンティックコメディ?う~違うな?ラブコメディ???
スラップスティックコメディ?それだ!そういうオハナシです。

オダギリジョーの「SLAPSTICKS」は、ジョーの魅力を引き出し
きれてなかった気がする。ジョーつったらブラピみたいな
キレた役の方がハマってるのにぃ~

主人公ヒロミが、かわいい女の子にメロメロになる様が、
うちの奥様や妹様を彷彿とさせるのが、さらに親近感を増しているのかも。
というか、俺の周りはそんな女性ばっかりなのか?今気付いた。

と、脱線はおいといて
最近、本読んで声上げて笑ったの
古田新太さんの「柳に風」と
麻生みこと先生の「GO!ヒロミGO!」でした。
という事は合ってるよね?コメディの部分は合ってるよね?
ボーイズラブメインじゃないよね?
関係者の突っ込み待つ。
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わすれられないあなた

2004年03月30日 | 読んでみました
忘れられない瞬間ってありますよね。

こないだ新宿の紀伊国屋に行ったんですよ。
あ、サザンテラスの方です。広い本屋は気持ちいいね。

購入した書籍は「興行師達の映画史」
むふ~、俺たちは搾取されているんだ!
という内容紹介はまた今度。

本を持ってレジに並びます。
新人教育なのでしょうか、入社前研修なのでしょうか
やたらと不慣れな店員さんがレジを打っています。
これが普通の状態だったら暴徒が発生しそうな速度で列は進みます。

俺も新人研修で営業やったときはドキドキだったもんさ。がんばれよ。
とか勝手妄想で先輩面しながら並び待ち。

前でなにやらオッサン(といっても30代半ばくらい)が
レジのお兄さんに何やら話しかけてます。お兄さん困っています。
頑張る若者は無条件に応援、バカな若者は無条件に精神攻撃が
身上というか、身についているので反射で「頑張れ若者」と心の中で応援

オッサンの声が、だんだん声が大きくなっていきます
「本を袋に入れるときは背を合わせるのが常識だろ?」

あ、うん、いや、まぁ、そうなんスけど、ワタクシも常々そう
思うのですが、ここで騒がなくても、あとで自分でちょっと
入替えるとかさ、できんじゃん?ていうか邪魔だからどけ
はやくどけ、ウンコしたくなって急いで立ち去れ

とココロの中で念じてました。

で、呆然と立ち尽くす若者にハードボイルドな調子で声をかけて
颯爽と去っていきました。

え、何?その俺の日常生活には絶対出てこないステキ台詞は。
いいの?こんなシチュエーションで使うものなの?
おぼえておきな」って言ったよね?と一人で興奮してしまいました。

ハタから見ると、捨て台詞を言って去るチンピラと大差ないけど。
というか、スーツのズボンがヨレヨレなのはいいのか?ダンディ。
台詞だけが浮いてるぞダンディ。

う~ん。「おぼえておきな」かぁ~。使ったことないなぁ。
「やっておしまい」だったら普通に使うけど(使いません)。
「おぼえてらっしゃい」とか「おぼえとけ」だと捨て台詞だし、
況的にはそぐわないって事はやっぱり、
「おぼえておきな 坊や」みたいなニヒル気取り?
「ぴゅ~ぴゅ~~」と口笛吹いちゃうような?そんなカンジなの?
去り際にちゃんと口笛吹いた?ダンディ。君の名はダンディ

「おぼえておきな」って日常生活で利用されているんだなぁ。
と思った日常生活のヒトコマでした。ありがとうダンディ
おぼえておきます。
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書籍の置き場所

2004年03月26日 | 読んでみました
皆さんは購入した本をどうしているのでしょうか?
いや、読むに決まってるんですが、その後です。

読んだ本はもう一度読みたくなるので、本棚に取って置くじゃないですか、
書籍購入暦が4半世紀にもなると、結構な量になりますよね?
何冊くらいなんでしょうね?500冊?1000冊?2000冊?
引っ越す時にバッサリ捨てちゃったりするんですかね。

本に限らないんですけど、捨てられないんですよね。

“貸本”は復活するか? ソニーの読書専用端末LIBRIeと対応サイトが発表

貸本かぁ……。本が増えなくていいですよね。ネットで本が借りれるのか。

ソニーさんの4万円の端末が必要で、1冊当たり315円~もしくは
1050円で5冊のコンテンツが60日間読めるそうで。

微妙だなぁ…。古本屋に売るよりはマシなのかな?
でも電子書籍って読みにくそうなイメージありますよね。
ていうか4万の端末は買わないけど。
コメント (2)
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