「あはれなるもの、考ある人の子。よき男の若きが、御嶽(みたけ)精進したる・・・」とは清少納言の『枕草子』115段の書き出しです。確かに平成の御代であっても親孝行な子供は“しみじみと感動”させられますね。(身分が高い若い男が、御嶽精進をしている・・・というのは、ちょっと理解し難いのですが。)
此処で書く “あはれなるもの” とは文字通り哀れに感じるという言葉どうりの意です。ママコノシリヌグイやヘクソカズラなどは、直截(ちょくせつ)な表現過ぎるように感じますが、ママコノシリヌグイには“トゲソバ"、ヘクソカズラには“オトメバナ"という別名があるのは救われます。
昨年ママコノシリヌグイが生えている場所を、舩橋市髙根休耕田の散歩仲間Oさんから教わったので、観察しようと思い数日して行ってみたら、なんと姿が消えているではありませんか! 滅多に見ない植物なのでガッカリしましたが、市川大町自然園なら、見ることが出来るかも・・・と今年はそこへ行ってみようと考えていたところでした。(Oさんは、専ら髙根休耕田の野鳥を撮影。)
ところが、今年は昨年の場所からは少し離れた反対側で再発見したので、市川まで行かなくても観察できます。 ママコノシリヌグイは、ミゾソバの花に大変よく似ていて、遠目では見分けがつき難いのですが、花期がミゾソバの方が少し遅いので、何とか間違えないで済みますし、判別できる特徴に、葉は三角、茎にトゲと托葉があることで判別できます。
上図はママコノシリヌグイの花・葉・托葉・トゲです。
下図は、ミゾソバの花です。
花だけ見れば、どっちがどっちだか、紛らわしいのですが、ミゾソバの茎は滑らかなのと、葉の形が異なるので、判別できます。
ややこしいことに、よく似たアキノウナギツカミ・シャクチリソバ・イシミカワというのがあります。下図はアキノウナギツカミですが、馴れないと間違えそうですね。
シャクチリソバ、イシミカワについては2015年に載せていますのでこちらから参照して下さい。
ママコノシリヌグイやミゾソバなんて雑草よ!!・・・と一言のもとに片付けられそうですが、これらにも薬効はあるのです。
●ママコノシリヌグイ Polygonum senticosum⇒春から夏に全草を採り、水洗いしてから日干したものを煎じて、血行促進や痒みのあるはれ物や痔に用いるそうです。
●ミゾソバ Polygonum thunbergii⇒花期の葉茎を採取し、葉を揉んで出た汁を切り傷の止血に用います。
信じるか信じないかは、あなた次第・・・
蚊に刺された痒みには、スベリヒユの汁が速効なのを体験している私は、一度試してみようと考えています。興味のある方はどうぞ、お試しあれ。
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