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”スローライフ滋賀” 

郷土歴史家が「惟喬親王伝説を旅する」出版

 滋賀県東近江市の「八日市郷土文化研究会」顧問で野々宮神社(東近江市八日市金屋一丁目)宮司の中島伸男氏がこのほど、著書「惟喬親王(これたかしんのう)伝説を旅する」をサンライズ出版から自費出版した。



 「惟喬親王」は、第55代文徳天皇の第一皇子として844(承和11)年に生誕、897(寛平9)年に薨去(こうきょ)されたと伝わる実在の親王で、時の権力関係により皇位を継承できなかったため、都を離れ、各地を旅する逃避行の生活を送ったとの伝説がある。

 その逃避行先で暮らした各地に関わる親王への崇拝や地域との関わりが伝説として残っている。その一つ、東近江市奥永源寺地区の蛭谷(ひるたに)と君ヶ畑集落には、親王が伝授したとされる轆轤(ろくろ)技術により、椀や盆などを作る職人(木地師)が生まれ、全国にその名が広まったとされる。現在も木地師による木工製品が生み出されている。

 惟喬親王に関する伝説は、東近江市の奥永源寺地区をはじめ滋賀県内各地のほか、京都、奈良、三重、大阪、石川などにも残されている。中島氏は、伝説のなかの親王の生きざまや崇拝から生まれた親王への信仰と文化に深い関心をもち、12年にわたり、伝説が残る地域への探訪や地元の関係者からの聞き取り取材を重ねて親王の姿に迫り、その集大成として1冊にまとめあげた。

 訪れた伝説地を府県別に分類し、それぞれの地に残されている伝説を丁寧に取材し、親王がそれぞれの地でどのように迎えられ、その地での貢献や集めた信仰、伝承文化などを詳細に執筆している。
 中島さんは「8府県の伝説地に度々足を運び、合わせて63人の関係者に会って伝説の起こりや由来を聞いた。そのなかで、親王と近江とのつながりの深さ、さまざまな伝説と各地域への広がり、親王への崇拝が今も続く文化など、新しい発見に出会うことができた私自身の旅でもあった」と12年間を振り返っている。

出版された本は、B5判、全384ページ。600部発行。定価3850円(税込)。
書店のほか、サンライズ出版(彦根市鳥居本町655―1・TEL0749―22―0627)で購入できる。
中島伸男氏への購入申し込みは、FAX(0748―23―2255)または、郵便はがき(〒527-0017 東近江市昭和町2―9)で受け付ける。

<滋賀報知新聞より>
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