放射線治療と医学物理

放射線治療、特に医学物理に関する個人的記録

Linac-MR System

2009年01月11日 | Weblog
放射線治療と医学物理

今回も論文紹介ではなく、Weblogです。

Linac-MR systemについて報道されていました。
記事によると、6MVの照射中に撮像されたMR画像において、画像の劣化を起こすことなく撮像できたという報道です。

このLinac-MR systemは6MVのエネルギーを発生させることのできるLinacと、0.2Tの永久磁石タイプのMRを組み合わせた装置です。

詳細は以下に記されています。
http://mp.med.ualberta.ca/linac%2Dmr/

この Cross Cancer Instituteのサイトに簡潔な特徴が述べられています。

6 MV Linac
0.2 T permanent magnet MRI scanner
real-time imaging
real-time tumour tracking
image guided adaptive radiotherapy
27 cm gap for the head prototype
70 cm gap for the whole body prototype

CBCTを用いたtumor trackingでは撮影した瞬間の腫瘍位置は判明するものの、リアルタイムでのtrackingとなると少々難があります。
X線透視では、腫瘍位置は金属マーカ等を利用して知ることができる反面、腫瘍の形態や性状をリアルタイムで知ることはできません。
そこで、MR装置の登場となったようですが、画像の質やリアルタイムの画像取得に加え、照射装置へのフィードバック等まだまだ技術開発途中という印象です。

MRの磁場が発生しているため、線量計を配置することも困難であり線量の保証にも工夫が必要です(Medical Physicsに論文が掲載されています)。

しかし、技術が成功すれば臨床に応用される日もあるかもしれません。
装置が複雑かつ狭いので、点滴等には相当注意が必要かも。

カナダのMedical Physics頑張っていますね。

ASTROの名前変更

2009年01月09日 | Weblog
放射線治療と医学物理

最近多忙につき、なかなか更新ができませんでした。
今回は論文紹介ではなく、気になったnewsとします。

ASTROの名前がAmerican Society for Radiation Oncologyに変わるみたいですね。

確かにIVR等の手技はRadiologyの管轄か、Radiationに関係のない科が施行することも多いですので、時代に即した名前の変更かと思います。
名前の変更も4回目のようですし、必要とあればどんどん脱皮する姿勢がうかがえます。

また、名前の変更といえばJRSの「Radiation Medicine」も「Japanese Journal of Radiology」となるようです。

インパクトファクターがつけられる日も近そうです。