つれズレ愚抄

つれ：「四輪もオートライトオン義務付けだそうで、自動ブレーキの普及で事故が激減して輸入電気自動車の自動運転も認められそうなほどカメラが全域をカバーするうえは全くミラーのない国産車も公道を走りだすみたいだよ」

 
ズレ：「フェンダーミラーからドアミラーに変わった時は貿易絡みで外車規格に阿る政治的な事情があった筈で、まだ外車でも流行ってないとなると今度は技術の進歩に合わせて先鞭をつけようってことかもなぁ」

 
つれ：「功を急いてる訳でもなかろうけれどドアミラーに移行してからも暫くはフェンダーミラーも残存したように、カメラなら死角がなくなる理屈とはいえモニター越しオンリーじゃ感覚が異なってかえって危険じゃないのかねぇ」

 
ズレ：「若い衆ほどモニター操作には馴染んでるから、それに付いてこれない年寄ドライバーを駆逐しようてぇ構想も潜んでるんじゃねぇか」

 
つれ：「それより自動水洗が当たり前でトイレを流さないお子さんも少なからぬように、画像頼りで直接目視しなくなるのが気配りの退化に繋がりゃしないかと心配なようだけどさ」

 
ズレ：「隣に居たってＬＩＮＥでメッセージを交換する当世だけに、コミュニケーションを取るには何らかの補機が介在するのが当たり前の世の中になりそうだわな」

 
つれ：「車の運転に限らずそういう操作に追い付けない旧弊な年寄は既に施策の死角に封じ込められてるのかもねぇ・・」

 

つれ：「４案に絞り込まれた五輪エンブレムはどれもあんまり評判が芳しくないみたいだよ」

 
ズレ：「前回ケチがついたのに懲りて、当たり障りのない無難なデザインを選んだのが面白味のない所以じゃねぇか」

 
つれ：「好評だった招致のときのは使えないとなれば、さらに遡って１９６４東京五輪のを再利用すりゃいいてな声もあったよねぇ」

 
ズレ：「権利関係だの何のと諸々支障がないんなら、１９６４を２０２０に置き換えるだけで温故知新の精神も表現する絶妙な代紋になりそうだわな」

 
つれ：「そもそも招致の段階から東京なら前回施設が活かせてリーズナブルてぇ温故知新感があったんじゃないのかぃ」

 
ズレ：「ところがどっこい開けてみたら規格変更やらで既存施設はほとんど使えないとなって、予めコンパクトなんて売り言葉は仲人口もいいところと分かってりゃ招致気運もだいぶ違っただろうによ」

 
つれ：「浪費の象徴となった幻のスタジアム設計者もお亡くなりになって、前回五輪が高度成長の吉兆だったのに比べて今度の五輪は諸々禍々しい兆しが渦巻いてるねぇ・・」

 

つれ：「ようやくてぇかいまさらてぇか、戦勝国の閣僚が原爆慰霊碑に額づくに至ったねぇ」

ズレ：「核保有国への警鐘てぇ意味じゃ、既に復興を遂げた広島だけでなく復旧真っ只中の福島にもご案内したらどうでぇ」

つれ：「いずれオバマさんもお参りするのかどうか、ノーベル平和賞で景気づけした筈の核廃絶もあんまり捗々しくないようだしねぇ」

ズレ：「むしろスマート核兵器とやらの開発で、エネルギー総量こそ減少しても戦術核としては一層手軽に使い易い状況になるのが危惧されてらぁな」

つれ：「AI兵器が戦術核を打ちまくるなんざ、もはやその手のSF映画も所詮はフィクションなんて安心してられないねぇ」

ズレ：「理解力と指先感覚が衰えた年寄りには鬼門のスマートフォン然り、凡そスマートと形容されるもんにはよくよく警戒した方がよさそうだぜ」

つれ：「容姿弁舌がスマートなオバマさんよりは、武骨な容姿に粗暴な弁舌のトランプさんの方が安心だってのかぃ・・」

つれ：「世界はパナマ文書に震撼してる中、本邦は五輪メダル候補のカジノ通いに震撼してるようだねぇ」

ズレ：「野球賭博と違って八百長の懸念がないなら、身銭を切っての手慰みくらいであたら有望な選手の途を閉ざすこたぁあるめぇに」

つれ：「とはいえ暴対条例のご時世に裏社会との接点があるてなぁマズかろうに」

ズレ：「それにしたって合法とはいえ巨万の富をタックスヘイブンに隠退蔵させとくのに比べりゃ、社会に及ぼす害悪なんざ他愛ないもんでぃ」

つれ：「お金持ちはさしたるリスクもなく肥え太っていられるけど、徒手空拳で這い上がった方はささいな躓きでも痩せ細るのが世の習いだからねぇ」

ズレ：「勝負に拘るアスリートにとっちゃバクチで勝負勘を磨くのもトレーニングのうちと思えば、早いとこカジノを合法化してそんなところで転ばないようにして差し上げたらどうでぇ」

つれ：「当落に拘るポリティシャンにとっちゃ裏金作りで政局勘を磨くのもサバイバルのうちと思えば、シンパシーを抱く先生は多いかもねぇ・・」

つれ：「火のある所に煙が立ったらしい北朝鮮さんの向こうを張ってか中国さんも宇宙強国を目途にロケットを打ち上げ倒すそうだけど、足元に格差や人権問題を抱えてるのとアンバランスな感じじゃないかぃ」

 
ズレ：「それを言っちゃ震災復興も半ば未満なのに新競技場で浮ついてる本邦も、海外から見りゃ相当にアンバランスなんじゃねぇか」

 
つれ：「介護施設を増やすと言いつつ介護従事者の待遇には手付かずだったり、児童相談所設置を拡大すると言っても職員増加の裏付けはないとかってのもアンバランスだしねぇ」

 
ズレ：「本来的に効率化にそぐわないから公務になってるものにまで効率化を言い出して、やれ民営化だそれ定数減だなんてやってりゃ早晩バランスを失するのは電車道でぃ」

 
つれ：「と言ったってきょう日は公務だろうとリストラを進めないことには、早晩財政バランスを失するのも電車道だろうに」

 
ズレ：「とにかく何であれ金を回さないことにゃ景気は上向かないんだから、先にインフレターゲットを設けるてなアンバランスもアリなご時勢なら安倍さんがブログ対応で下手を打ったのを逆手に取って民設公営で介護士や保育士は全部公務員として採用するてな失地回復の発想があったってよかろうってことよ」

 
つれ：「形振り構わぬマイナス金利でも２％のバランスが怪しいご時勢に、いかにも同日選に向けた好感度アップ的な対策こそアンバランスだょ・・」

 

つれ：「TPPは国家百年の計ったって交渉資料はベッタリ墨塗りってんじゃ、果たして実のある審議になるのかねぇ」

ズレ：「他国の手前公表しないのはごもっともながら、外交下手には定評のある日本政府がそんな密室協議で国益を確保したと仰っても眉に唾を塗りたくなるばかりだしよ」

つれ：「非核三原則と言いつつ米軍の核持ち込みは公然たる事実だったように、各国から弱腰に付け込まれて大幅に譲歩した裏取引が隠れてないとも限らないからねぇ」

ズレ：「その矢面に立たされて一気に御髪が白くなった担当大臣の首が飛んだのも、おカミがメディアに手を回しての口封じかと勘繰るようだぜ」

つれ：「IMFさんが世界経済の見通しはさらに弱くなったと宣り給ふ前で、そもそも論としてTPPにどれほどあらたかな霊験があるかもよく分からないよねぇ」

ズレ：「おそらく自由貿易なんてのも搾取経済が右肩上がりであればこその幻想で、既に大きな収奪を得られる新世界がなくなったからにはむしろ互いに関税を掛け合って国益を図ってくしかないんじゃねぇか」

つれ：「国際関係で互いに思い合うなんてことはない以上、迂闊にいい顔をしようもんならたちまちTPPが売国百年の大計にもなりかねないってのかぃ・・」

つれ：「選手が野球賭博を白状すれば罪一等減じるたぁ、ワシントン大統領幼少のみぎりの桜の木みたいな話だねぇ」

ズレ：「我も我もと名乗り出てプロ野球が丸一年オフシーズンになったりしねぇだろうな」

つれ：「４月１日の決定ならエイプリルフールだったともトボケられるけどねぇ」

ズレ：「厚労省さんが３月末に２０４０年には３万４千人の医師が過剰になると発表したのも、四月馬鹿と思われるのを避けた所以かもしれねぇやな」

つれ：「だいぶ以前には医者余りと言われてたのが今は不足してそれがまた過剰になるってんじゃ、何やら狐につままれる気分だもんねぇ」

ズレ：「求人と求職のミスマッチみたいな地域や診療科の偏りもありそうだし、そんな将来のあてにならない予想より現下に差し迫ってる医療偏在の解消の方に力を入れて貰いたいようでぃ」

つれ：「安部総理格差礼賛のみぎり、一部のお金持ち以外はずーっと医療オフシーズンじゃかなわないからねぇ・・」

つれ：「年寄りだけじゃ依怙贔屓だと騒がれたからか、若年層の低所得者にも商品券をお配りするみたいだよ」

 
ズレ：「一時凌ぎになるとはいえ無為無策を繕うおカミのアリバイ作りは見え見えで、これも同日選目当てのバラ撒きてぇ謗りは免れないんじゃねぇか」

 
つれ：「安倍さんも企業任せにしといて低調なベアにブー垂れるより、抜本的に勤労者の所得が増える手立てを考えてもらいたいよねぇ」

 
ズレ：「それが同一労働同一賃金法制化だってことだとしても、形式的な区分で低水準での横並びとなりゃ共産経済下の低生産性を踏襲するばかりだぜ」

 
つれ：「身分門地に係わらず能力に応じて稼げるのが資本主義のいい所だとすりゃ、同一能力同一賃金ってのが本来だろうしねぇ」

 
ズレ：「モニター越しにクリックだけで稼ぐ利ザヤより心身を酷使しての介護や保育の報酬が上回るくらいの仕組みでなけりゃ、いずれ資本主義自体の首が回らなくなっちまわぁな」

 
つれ：「労働者が先に干乾びたんじゃ搾取のしようもないもんねぇ・・」

 

つれ：「大スクリーンならではのスケール感を堪能できる山岳スペクタクルも映画の１ジャンルとして近年はＣＧやら３Ｄやらでさらに迫力を増してるなか、さすがにハリウッド級の予算は投じられなかったせいか多少画像は地味めながらその分は邦画らしいウェットな情念で盛り上げた感じだねぇ。
狭い島国ながら急峻な山岳を擁する本邦からも数多の先鋭的なアルピニストを輩出してるのはご案内のとおりで、そういうニュースにリアルタイムで触れてきた世代には実在の人物や実際の山岳事故とオーバーラップする部分が多々あって思い入れも一入なんじゃないかぃ。
エベレストからチョモランマに変わった呼称の響きや団体ツアーでも登頂できる一方での環境問題てな大衆化と併せて既に極め尽くしたということか先鋭登山が話題に上ることが少なくなった印象も加わって冒険から観光に近付いてる観はあるものの、厳然として危険な極地であることには変わりないからこそ挑戦心のタネは尽きまじなんだろうねぇ」