つれ:「いよいよ梅雨明け十日の丑の日を前に、今年はシラスウナギが豊漁と聞いて喜んでたらニホンウナギ自体が絶滅危惧のレッドリスト入りしちまったねぇ」
ズレ:「完全養殖に成功しない限りもはや庶民の口には入らぬものと思い定め、向後の土用丑の日は煙の匂いを思い出しつつ涙でしょっぱい飯をかっ込むしかあるめぇよ」
つれ:「そっちはそっちで研究を進めて貰うとして、河川を自然護岸にするとか遡上し易い形状に改めるとか生息環境の回復にも努めたらどうだぃ」
ズレ:「少なからず都市化が絶滅の一因であるからには、人口減少は自然を復元する好機と捉える考え方はありそうだわな」
つれ:「どのみち都市への集中が避けられないなら、思い切って地方はそっくり自然保護区にする手もあるかもよ」
ズレ:「うなぎ上りの高度成長以来産業立国の呪縛から逃れられずにいるものの、南北に長く四季に恵まれた環境の豊かさでも世界に冠たる本邦とすりゃ自然立国に舵を切っても何とかはなるんじゃねぇか」
つれ:「ウナギが深海に還って新生するが如く、日本も再生を期すにはまた極貧に潜って初心に帰る必要がありそうだしさ・・」