つれズレ愚抄

つれ：「その後の続報によると、どうやら中国さんの方が流浪の足利将軍ならぬ金家長兄を見限ったてぇ観測が出てきたねぇ」

ズレ：「毒針でなく毒液を吸い込ませただの捕まった女がイタズラと言い張ってるだの詳細も明かされて、ますますリアルなスパイものになってきたじゃねぇか」

つれ：「跡目争いの例に漏れず、やっぱり暗殺指令は先代の没後直ちに飛んでたみたいだよ」

ズレ：「復権に執念を燃やす将軍を持て余してた越前朝倉公とは逆で、命乞いこそすれ亡命政権で対峙する気概のない兄をいつまでも抱えてるよりここらで武功に逸る弟に恩を売りつつ厄介払いしようてぇ絵図がいかにもごもっともだぜ」

つれ：「とはいえそれじゃ九郎判官の首を差し出したが故に滅んだ奥州藤原三代のようで、中華思想の御本尊にはあるまじき弱気なんじゃないかぃ」

ズレ：「幻想や虚栄を巧みに操るのが眠れる獅子の本分だから、万一鴨緑江を挟んだ武力衝突が起こって海洋膨張著しい武力もはったりのペーパータイガーなのがバレバレになったら困るてな事情も思い浮かぶとこだけどよ」

つれ：「これも敵の敵は友の原理に則って、圧力を増したトランプ信長公に対抗するには不仲の三代目とも手を打って包囲網を築こうってことなのかねぇ・・」