つれズレ愚抄

ズレ：「赤塚不二夫先生の担当だった方の原作であれば内幕実録ものかと思いきや、先生へのオマージュがそのまま古き良き昭和への追憶になっていて、正に赤塚作品のナンセンスな世界を忠実に映画化したような雰囲気だぜ。
　話は赤塚漫画の絶頂期から始まって、こちらも劇中に登場する「おそ松くん」「天才バカボン」「もーれつア太郎」の連載をリアルタイムで拝見してたけど、「レッツラ・ゴン」のシュールな作風への変化にはそれなりの事情があったとは知らなかったぃ。
　この映画の製作時には想像だにしなかったであろう大震災を経験してみると”バカになるのだ”というテーゼもまた違った響きで聞こえてくるもんで、いわば治にいて乱を忘れた小賢しさが対応の不手際につながってる観もあり、この未曾有の非常時には形振り構わず復興バカになるくらいの勢いが必要なのかもしれねぇやな」