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パブリック・エネミーズ

2009-12-19 23:45:03 | 活弁見聞録
ズレ:「ビリー・ザ・キッド、ジェシー・ジェイムス、ブッチ・キャシディ&サンダンス・キッド、ボニー&クライドといった実在のアメリカンダーティーヒーローものの系譜としては牧歌的に描かれる犯罪・小粋な色恋・悲愴な結末の3点セットがきっちり揃った鉄板的な定食メニューながら、アウトローが個人名で大衆の人気を博したおそらくは最後の人物だけに、タイトルどおりそういう風潮を撲滅しようとした当局の事務的な執念と犯罪者のロマンとの対比が一際目を引くんじゃねぇか。
 この時代には既にアル・カポネも活躍してた訳で、少人数での一攫千金的な冒険から大規模で組織的な経済活動へと犯罪の主流が推移していく状況も描かれるてぇと、昨今の経済環境で立ち行かなくなってる個人事業主の悲哀にも通じるものが感じられるわな。
 そもそも犯罪者にも関わらずヒーローとも目されたのには庶民の金を巻き上げる銀行を悪者と看做せばこそそれを懲らしめるような犯行に溜飲を下げてたてぇ事情もあろうてなことを考えてると、金融発の不況で苦吟してる今だってマネーゲームに興じる大尽衆からスマートに金を奪い去るヒーローに登場して貰いたいような気になるってもんよ」 
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