火鉢にかざす手の中の我が指の骨 臼田亜浪
火鉢に手をかざすと、手を焙りながら、やむなく人は、つくづくと自分の手を眺めることになる。男性の手であるから骨も太く、かざした手の中の指の骨がいちいちわかる。自分の生きた歳月をふと思ったり、あるいは所在無さに、焙った手をすり合わせたりする。火鉢に当たるということは、火鉢が小さな暖だけに、人に一人の時間をくれるようだ。
火鉢にかざす手の中の我が指の骨 臼田亜浪
火鉢に手をかざすと、手を焙りながら、やむなく人は、つくづくと自分の手を眺めることになる。男性の手であるから骨も太く、かざした手の中の指の骨がいちいちわかる。自分の生きた歳月をふと思ったり、あるいは所在無さに、焙った手をすり合わせたりする。火鉢に当たるということは、火鉢が小さな暖だけに、人に一人の時間をくれるようだ。