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ノート上のお話

ノートの上に子供が三人、笑顔でしゃべっている。母親はシチューを煮込みながら本を読み、父親は旅先の風景を写真に収めていた。

うちゅうじん

2005-06-25 14:40:42 | ノート上のお話
うちゅうじん

とし「小さくなってあそこの木のえだに立ったら、ジャングルに見えるかな」
みい「じゃんぐる?」
ねえ「道路も見えるしジャングルにはならないんじゃない?」

とし「なんだあの速いやつは」
ねえ「鉄の馬」
みい「おうまさんじゃない!!」
とし「足もかおもないよ。あれはうちゅうじんの乗りものだ」
ねえ「あなたも乗ったことあるでしょ。わたしたちの乗りものよ」
とし「なに!?おまえうちゅうじんだな。とらえろー」
みい「わー」

いがいが

2005-06-25 06:15:39 | ノート上のお話
いがいが

いがいがの付いたボール、とりたくない。いがいがの付いた殻、なんとしても守り抜くんだ。
いがいがの付いた挨拶、嫌いなんですか?いがいがの付いた人、嫌いじゃありません。

僕は誓った。必ず守り抜くことを。ただ、それを達成にはあまりにも相手が強すぎて、僕は準備できるだけの針を外に向けて、丸まることしかできなかった。




黄色い電車

2005-06-22 02:44:15 | ノート上のお話
黄色い電車

カンカンカンカン。ふみきり。にゃー。ねこ。ほら見なさい。母。だからさっき言ったじゃないの。母親。電車の中を探す。私。

ねえ「昨日電車に乗せたの」
まい「そう。昨日やったんだ」
ねえ「うん。黄色い電車。さっきね、踏み切りで止まって電車の中探しちゃったのよ。私がいないかなって」
まい「探しちゃうよね、やっぱり。黄色い電車見ると」
ねえ「今頃どんな顔してるかなあ。下向いてなきゃいいけど」
まい「私も今まで二回運んでもらったけど、まだ見たことないなあ」
ねえ「一度見てみたいよね。幼い自分」
まい「うん」

最先端技術

2005-06-17 01:48:59 | ノート上のお話
最先端技術

「音声情報からその人の親の血液型を判定する技術は、世界で初めて○○音声研究所により実現しました。所長の…」

とし「すげー、これすげー」
かあ「そうね。でもなんの役に立つのかしらね」
とし「……」

ねえ「あなたの声からあなたの親の血液型を判定しました。A型とO型です」
はる「そうですか。私の父はO型ですか。良かった」
ねえ「そうですね。A型でない方が、A型とかB型でなくて良かったですね」
はる「ほんとによかった。ほっとしました」
ねえ「でも、母親がA型というのは本当に本当ですか?」
はる「え、ええ、そうだと思いますが。たぶん」
ねえ「A型とO型は確かだけど、あなたの母親がA型かどうかは分からないからね」
はる「え、あぁ、はい。そうですよね」
ねえ「あ、ごめんなさいね。また不安にさせて。でも可能性のあることは言っておいたほうがいいかなと思ってね」
はる「はい。ありがとうございます。じゃあ今度母親の音声ファイルを持ってきます」
ねえ「そうですか。わかりました。もしかしたら兄弟姉妹の音声も必要になるかもしれませんね。でも家族の場合、二人目以降は半額になりますのでご安心ください」

ねえ「はるちゃんうまい!」
はる「ねえちゃんもうまいよ」

きりん

2005-06-12 18:18:04 | ノート上のお話
きりん

みい「きりんさんのくびはどうしてながいの?」
じい「それはね、キリンが昔、音痴だったからだよ」
みい「おんち?」
じい「音楽好きの青い象がキリンをののしったんだ。しかも本人ならまだ良かったのに、母親をののしったんだ。だからキリンはすごく悔しがって悔しがって、毎晩泣いていたんだよ」
みい「かわいそう」
じい「そして一週間が経って、涙がコップに十二杯くらい流れたあとで、キリンはある決心をしたんだ。絶対に首を長くしてやろうってね」
みい「くびながいといじめられない?」
じい「そう思っていたんだ。キリンは。実はそうじゃなかったんだけど、けどそれに気が付いたときには、世界中のキリンの首が長くなった後だったんだ」